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[オピニオン]握手の政治学

Posted April. 05, 2012 07:26,   

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握手する手の痛みは政治家の職業病だ。政治家はそれだけ頻繁に握手をする。選挙シーズンには特にそうだ。最近、朴槿恵(パク・グンヘ)セヌリ党選挙対策委員長は、右手に包帯を撒いたり痛み止めシートを貼ったまま遊説現場に現れる。多くの有権者と握手して手が腫れて痛みが出たからだ。04年の総選挙の時も、07年のハンナラ党の大統領選予備選挙の時もそうだった。誰でも握手をたくさんすれば、手の骨を支える靱帯が伸びて、炎症ができやすい。また男性よりは女性の手が弱い。

◆握手は原初的な挨拶の方法だ。先史時代、武器を手に持っていないことを相手に見せるために由来したと言われている。動物も相手を攻撃する意思がないことをそれなりの方法で示す。ゴリラはじっと立って頭を前後に振り、チンパンジーは互いに手を叩き合いながら握手に似た挨拶を交わす。握手は、そのような起源のため、武器を持つ右手で、手袋を外して素手でするのが礼儀だ。朴委員長は最近、主に左手で有権者の手をそっと握るくらいの握手をしている。右手に包帯を巻いていなかったら礼を欠いてしまうところだ。

◆金永三(キム・ヨンサム)元大統領は、民主化運動の時期に力を入れて握手した習慣が身についたため、大統領在職時も握手するときの握力が強かった。反面、金大中(キム・デジュン)元大統領は手が弱く、大統領府で賓客と接見する際、秘書陣が大統領の手を軽く握ってもらうよう、賓客にお願いする程だった。握手をする際、力を入れすぎた握手も好ましくはないが、死んだ魚に触れるように力を入れずにそっと握る握手も誠意が感じられない。握手する際に握力より重要なのは視線だ。握手する手は目の前の相手の手を握っているのに、視線は次の相手に向かっていることほど非礼な握手もない。朴委員長は最近、新人政治家らに「握手している間、目は向かい合っている人を見るようにし、忙しくても視線を他のところに向けないように」と助言した。

◆歴史上選挙遊説で握手を初めて使ったのは、1860年の米大統領選挙でエイブラハム・リンカーンに敗れたスティーブン・ダグラスと伝えられている。それ以前の政治家は、遊説時に身体接触の戦略を使わなかった。朴委員長としては遊説に欠かせないスキンシップを最大限活用できなくなったことを残念がっていることだろう。しかし、包帯を巻いた手が同情論を誘発する効果もなくはないようだ。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員 pisong@donga.com