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済州の「イルカショー」なくなるか 違法捕獲ノイルカを没収、済州地裁判決

済州の「イルカショー」なくなるか 違法捕獲ノイルカを没収、済州地裁判決

Posted April. 05, 2012 07:26,   

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ソウル大公園の公演用イルカ「チェドリ」を海に放すことを巡り賛否両論が巻き起こっているなか、不法捕獲したイルカを没収する刑が言い渡された。済州(チェジュ)地裁の金京善(キム・ギョンソン)刑事2単独裁判官は4日、水産業法違反などの罪で起訴された西帰浦市(ソギポシ)・中文(チュンムン)観光団地内のイルカショー公演会社、パシフィックランド(株)に対し、イルカ5頭に対して没収刑を言い渡した。イルカを購入し、公演に利用した同社の代表であるホ某被告(53)には、懲役8ヵ月に執行猶予2年、本部長のコ某被告(50)には、懲役3ヵ月に執行猶予6年をそれぞれ言い渡した。

同社は09年から10年8月にかけて、済州道周辺の沖合いで定置網などにかかったイルカを、1頭当たり700万〜1000万ウォンで購入し、公演に利用してきた。公演用イルカの捕獲について、事前に農林水産食品部に届けないまま捕獲したのが問題となった。同社が購入したイルカ11頭のうち5頭は死亡し、5頭だけが残っている。残りの1頭(チェドリ)は、ソウル大公園のとど2頭と交換した。

●公演用イルカを海に戻すのか

イルカの没収刑が最高裁で確定すれば、国に戻され自然に放される。海に戻すことによる費用負担の主体や手続き、方式も課題だが、何よりも生き残りの可能性が問題となっている。プールで調教師に助けられながら、数年間生活してきたイルカらを、直ちに海に戻した場合、生き残りの可能性が低いというのが、専門家らの大半の見方だ。

野生に戻るためには、適応期間も必要だ。海上のいけすの施設での適応訓練を経るべきだという見方もあるが、場所選定やえさ供給などを巡り、前例がなく、鯨の専門家らすら正解をだせずにいる。

朴元淳(バク・ウォンスン)ソウル市長からの指示を受け、チェドリ(推定13歳)を海に戻す作業を準備しているソウル大公園の苦心も大きい。チェドリを8億ウォンあまりの事業費をかけ、済州の沖合いに放すことにしているが、詳しい方法や手続を巡り、結論を出せずにいる。

環境団体や動物保護団体などは、公演イルカの放流のみならず、公演禁止まで主張している。イルカ保護団体のホットピンクドルフィンス側は、「エンターテインメントや商業的利益を目的にした捕獲は無くなるべきだ」と主張している。

反論も根強い。イルカ公演を見ることによる教育的効果やイルカとのふれあいを通じての癒しの効果などだけでなく、適応訓練期間を経ても、野性性を回復できると言う保障などないと言うこと。国立水産科学院のアン・ドゥへ鯨研究所長は、「イルカを放すことはよいことであり、引き続き引き止めておくことは悪いことだと言う二分法的なアプローチは困る」とし、「不法捕獲は根絶されるべきだが、頭数の多い鯨類の場合、展示や観覧を通じ、教育や研究活動のチャンスを与えることも、社会的な価値が大きい」と主張している。

●済州沖合いに生息するイルカは114頭

鯨研究所によると、国内で観察される鯨は計35種であり、このうち大型鯨に比べ、体の小さなイルカ類は、ハナジロカマイルカやマイルカ、スナメリなどだ。済州沖合いに生息しているイルカは、ミナミハンドウイルカで、現在まで確認された頭数は、計114頭ほどだ。

ミナミハンドウイルカは、成体になれば、体長2.6メートル、体重230キロ、寿命は25〜40年と推定される。イカや鯖、ヒラメなどの餌をついていき、漁師らが仕掛けておいた定置網などに掛かったりする。国土海洋部・海洋生物資源管の文大淵(ムン・デヨン)推進企画団課長は、「ミナミバンドウイルカは、世界的に絶滅危惧種ではないが、韓国の場合頭数が少なく、海洋生態系保全管理法により、保護種に指定する価値がある」と主張している。



jy788@donga.com