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妻の死で医療訴訟の駐韓タイ大使、「両国の友好増進に努めたい」と訴訟を取り下げ

妻の死で医療訴訟の駐韓タイ大使、「両国の友好増進に努めたい」と訴訟を取り下げ

Posted April. 03, 2012 09:13,   

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「妻は韓国を大変愛していました。妻の葬儀に参列してくださった韓国語の先生が、涙を流しながら、妻の韓国語2級(初級水準)の資格証を渡して下さいました。試験合格を聞いていたなら、大変喜んだでしょうに…彼女の魂が神のもとに召されることを祈ります」

先月30日午後、ソウル龍山区漢南洞(ヨンサンク・ハンナムドン)の国際聖堂。ミサに先立ち壇に立ったタイのチャイヨン・サジパノン駐韓大使が、生前にカトリック信者だったティティナート夫人のために追悼文を読み上げた。左手の薬指には金の結婚指輪がはめられていた。タイ大使館関係者をはじめ約80人の参列者は、1時間余り行われたミサで、昨年9月に順天郷(スンチョンヒャン)大学病院で亡くなった夫人を称えた。

大使夫人は昨年9月16日に腹痛を訴え、順天郷大学ソウル病院の救急室に運ばれ、入院3日後に急性腸閉塞で亡くなった。タイ大使館側は、「すぐに手術をしていたなら、死なずにすんだ」として病院側の医療ミスを主張し、チャイヨン大使は、龍山警察署に病院長や国際診療所長を業務上過失致死などで訴訟を起こした。6ヵ月が経っても警察が捜査の結果を下さないため、大使館側は「外国人の問題なのでいい加減に捜査している」と不満を吐露し、大使夫人の死亡事件は一時、外交問題に飛び火する様相を見せていた。

病院と大使館の対立は、最終的に和解で幕を引いた。順天郷大学病院関係者は、「遺族と書面で和解した」とし、「一つの生命の死に哀悼を示し、医療機関として道義的責任を感じる」と明らかにした。チャイヨン大使は3月28日、龍山警察署に訴訟を取り下げる考えを伝えた。

チャイヨン大使は同日、東亜(トンア)日報記者に対して、「次の赴任地に発つ前に妻のことを終えたかった。『私を苦しめた人を許すこと』はカトリックの美徳だ。妻も病院の謝罪を受け入れることを望むだろう」と話した。そして、「病院の応急処置には依然として残念だが、これ以上民事的に問題にしない考えだ」と明らかにした。チャイヨン大使は、駐米大使の発令を受け、10日に米ワシントンに発つ。

龍山警察署は近く捜査を終える計画だ。警察関係者は、「診療記録などを大韓医師協会に2度提出し、医療ミスかどうか専門の所見を待っている」とし、「1、2週間内に、協会の判断が出れば、事件を検察に送検する予定だ」と明らかにした。大使の訴訟取り下げとは別に、病院の医療ミス、刑事処罰を検察が判断する計画だ。

赴任地で妻を失ったチャイヨン大使は、最後まで「韓流」に愛情を示し、両国の友愛を誓った。チャイヨン大使は、「2PM、スーパージュニア、少女時代など多くの韓流スターがタイに来て、ファンに愛され、韓国とタイが一層近くなった。今後も両国の友好増進に向けて努力する」と述べた。



mck@donga.com