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発射場は東倉里基地、衛星監視や迎撃が困難で最適のミサイル基地

発射場は東倉里基地、衛星監視や迎撃が困難で最適のミサイル基地

Posted March. 17, 2012 08:22,   

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北朝鮮は16日、「光明星(クァンミョンソン)3号衛星」の打ち上げ計画を発表し、発射場所を平安北道鉄山郡(ピョンアンプクト・チョルサングン)の「西海(ソヘ)衛星発射場」だと明らかにした。ここは、これまでにも知られている東倉里(トンチャンリ)長距離ミサイル発射基地を意味する。

東倉里基地は、東海(トンへ・日本海)岸側の咸鏡北道花台郡舞水端里(ハムギョンプクト・ファデグン・ムスダンリ)の古い長距離ミサイル基地の代替として建設されたが、これまでミサイルを発射した前例がない。北朝鮮は09年6月、大陸間弾道ミサイル(ICBM)と推定されるテポドン2号級の長距離ミサイルを平壌(ピョンヤン)付近の山陰洞(サンウムドン)兵器工場から東倉里基地に移したが、実際に打ち上げることはなかった。

このため、長距離ミサイルの技術的欠陥が解決されていないだとか、東倉里基地の発射体制が完璧でないといった見方が提起されている。しかし、今回北朝鮮が発射場所まで明確に発表したのは、東倉里基地が完璧な発射システムを構築しているという自信を対外的に表わしたと見ることもできる。

北朝鮮が01年から建設した東倉里基地は、軍事・技術の面で核弾頭を搭載した長距離ミサイルの打ち上げに最適の条件を備えていると軍当局は見ている。東倉里基地は、寧辺(ヨンビョン)核施設団地から約70キロ、平壌付近のミサイル製作工場から約200キロ離れており、核弾頭と長距離ミサイルを運んで組み立てるのに1日程度で十分だ。従来の舞水端里基地は、平壌から軍用列車でミサイルを運ぶだけで4、5日かかった。

10階の高さの発射台と支持台、エンジン燃焼試験棟、地上管制所などがある東倉里基地は、規模の面で舞水端里基地よりも3倍程大きく、施設も大幅に現代化された。特に、ミサイル発射準備の核心である液体燃料の注入が地下施設で全自動で行われ、米国の偵察衛星の監視を避けることができる。大半の施設が自動化され、短い時間で数発のミサイルを打ち上げることができるというメリットもある。軍関係者は、「北朝鮮首脳部の意図によっては、奇襲的なミサイル挑発が舞水端里基地よりはるかに容易だ」と述べた。

また、東倉里基地で角度を調節して発射すれば、ミサイルが日本の領空を通過せず、韓国と中国の領海の間を通過して太平洋の米軍基地があるグァムの方向に飛ばすことができる。ミサイルのエンジンや破片が中国や日本の沿岸に落ちる確率も低く、周辺国を刺激せずに「ミサイル挑発」を行うことがたやすくなる。

東倉里基地は、北朝鮮と中国の国境の鴨緑江(アプロクカン)河口から直線距離でわずか約80キロメートルしか離れておらず、有事の際、韓米軍当局の軍事的対応も難しくなる。韓米軍の戦力が攻撃したり、空中爆撃をする場合、中国が強く反発する可能性が高いためだ。

迎撃される危険も少ない。舞水端里から発射されたミサイルは、離陸初期の高度が低く、東海で米国や日本のイージス艦が撃ったSM‐3ミサイルで迎撃される可能性が高いが、東倉里基地から発射すれば、北朝鮮上空を通過する間に高度が上がり、迎撃の確率が低くなるためだ。

一方、北朝鮮が発射体と主張したロケット「銀河(ウンハ)3号」は、200キログラム程度の衛星を地球低軌道に打ち上げることができる性能を備えていると専門家は見ている。韓国航空宇宙研究院のチョ・グァンレ羅老(ナロ)号発射推進団長は、「『銀河3号』は、過去に打ち上げられた3段エンジンのテポドン級と推定される」としながらも、「発射体の性能は様々な条件によって大きく変わり、正確に判断することは難しい」と話した。

北朝鮮が「極軌道衛星」と公表した光明星3号は、低軌道衛星を意味するようだ。低軌道衛星は600〜800キロメートル上空で地球軌道を1日約10回まわり、宇宙観測や通信、中継などを担う。韓国の多目的実用衛星も約685キロメートルの高度で地球軌道を周回している。



ysh1005@donga.com tmt1984@donga.com