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[オピニオン]農民特権層

Posted March. 17, 2012 08:22,   

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金宗壎(キム・ジョンフン)前通商交渉本部長は10年末に、「農村に『喫茶店農民』が多くて、農業が発展できずにいる」と話し、一部農民から厳しい抗議を受けた。金前本部長は農業に頑張らず喫茶店に集まり、公務員と付き合って政府支援金をもらうことばかり工夫する農民のことを「喫茶店農民」と呼んだ。しかし、真の農民なら、金前本部長の言葉に怒るよりは、「喫茶店農民に流れる政府補助金を本当の農民に行くようにしろ」と政府に求めるべきだった。

◆朴鉂瑩(パク・ジュンヨン)全羅南道(チョルラナムド)知事は昨日の電話取材に対し、「政府の農業補助金が一部農民に集中されるのが問題だ」と指摘した。本当の農民は忙しすぎて官庁に行く時間もない反面、官庁に頻繁に通う「少数特権層」が主に補助金をもらっているという。04年から8年近く道知事として農政の一線で感じた経験談だけに生々しい。このような状況は、他の地域もあまり違わないようだ。朴知事は、「現場調査を経て、補助金制度の改善案を作ったら、補助金をもらい続けていた農民・漁民が反発する」と苦情を打ち明けた。全国農民会総連盟は先月、民主統合党に公文書を送って、朴知事を民主党で除名してほしいと要請した。

◆朴知事は農路、排水路、貯水施設のように公共財的な施設を作る場合にかぎって補助金を与え、個別農民への支援は長期低利融資に変えていく方針だ。低い利子でも支払うようになれば、農民がお金を計画無しに借りることはないだろう。徐圭龍(ソ・ギュヨン)農林水産食品部長官も無償補助金は減らし、低利融資資金を増やす計画だと話した。徐長官は、農業の代わり道路占拠などデモをしながら、政府に補助金を要求する一部農民の「アスファルト農業」に別れを告げるべきだと強調した。

◆1992年、ウルグアイラウンド交渉妥結を皮切りに、政府が農村・漁村に補助金を与えたり、安い利子で融資した資金が11年まで183兆ウォンに達する。韓米自由貿易協定(FTA)による被害補償などで08年からさらに54兆ウォンが投入されている。農民の反発をお金でもみ消したり、選挙で票を集める手段として補助金を使った側面もある。よほどの補助金には満足できなくなった「補助金耐性」が農村にできたほどだ。政府支援金が特権層の農民ではなく、田や畑、畜舎で汗を流す農民に与えられる時、韓国農業はさらに一段階跳躍できるはずだ。

洪権憙(ホン・クォンヒ)論説委員 konihong@donga.com