Go to contents

「レアアースの採掘を大幅制限」 中国、外交カードの思惑露骨化

「レアアースの採掘を大幅制限」 中国、外交カードの思惑露骨化

Posted March. 13, 2012 08:31,   

한국어

中国が、自国内のレアアースの採掘を大幅に制限することを決定した。半導体などの先端製品の製造に必要なレアアースを経済武器に活用する思惑を露骨化している。

12日、国営新華社通信によると、全国人民代表大会(全人代)は10日に会議を開き、鉱山の周辺地域の環境保護のために、レアアースの採掘の許認可を強化すると明らかにした。中国はすでに昨年10月、「希土工業汚染物排出標準」を発表し、レアアース鉱山の汚染水排出などに関する厳格な基準を提示した。また、2010年から今年6月30日まで、原則的にレアアース鉱山の採掘申請を受け付けないことを決めている。

今回の全人代で、再びレアアースの採掘制限の方針を明らかにしたのは、従来の措置を再確認して環境コストを付加し、生産量を減らして国際相場を高めるという考えがあるようだ。細部の措置は、公務員や地方政府で具体化するものとみえる。

レアアース産地の江西省尋烏県の廖麗萍・副県長は同日の会議で、「1970年代以降、レアアースの乱開発が行われ、近隣の広東省や香港などの水源の安全に影響を与えている」と指摘した。

中国は、世界のレアアース供給量の90%を占めている。このため、今回の措置は国際相場にも影響を与えるものとみえる。新華社通信は、現在のレアアースの価格には、「環境コスト」が計算されていないため、値段が安いレアアース時代は終焉を告げると見通した。廖進球・江西財経大学党委書記は、「環境保護のために採掘量の減少は必然的であり、需給構造の変化は価格に影響を与えるだろう」と見通した。

中国はこれまでも、環境保護を理由に輸出を制限し、米国や欧州などから「レアアースの万里の長城」を積み上げているという批判を受けてきた。2010年、日本との尖閣諸島問題の際は、日本へのレアアースの輸出を停止した経緯もあった。

一方、米国の主要レアアースの生産会社モリコープは、中国の生産統制に対応して、カナダの世界的なレアアース処理業者「ネオ・マテリアル・テクノロジー」を買収したと、ウォール・ストリート・ジャーナルが11日付で報じた。モリコープは、これにより、カリフォルニア鉱山で採掘したレアアースの原料をネオ・マテリアルの中国支社に運んで処理することになる。



koh@donga.com