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[オピニオン]ユダヤ人のロビー威力

Posted March. 07, 2012 08:57,   

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シェークスピアの戯曲、「ヴェニスの商人」に登場するユダヤ人の高利貸し・シャイロックは、指定した期限まで金を返済できなければ、肉1ポンド(約453.6グラム)を切り取る条件で金を貸している。トルストイも小説「アンナカレーニナ」や「復活」などで、ユダヤ人を傲慢で破廉恥な人物と描いている。ドストエフスキの作品、「罪と罰」に登場するユダヤ人も同様に、好感が持てない人たちばかりだ。旧約聖書で語るセム族の子孫への反感を意味する「反ユダヤ主義」は根深いものがある。

◆ユダヤ人残酷史の始まりは、西暦73年の「マサダ大虐殺」に遡る。ローマ軍に立ち向かって信仰の自由を叫んだユダヤ人960人が、集団自決で最期を迎えた。十字軍戦争の際の1099年、エルサレムを奪還した十字軍は、ユダヤ人略奪「ポグロム(1881〜1921年)」で、7万人以上が犠牲となった。世界第2次大戦の時、ナチスドイツが行ったユダヤ人虐殺では、実に600万人が命を落とした。

◆1948年、夢に描いていた独立国家・イスラエルを樹立したユダヤ人は、1973年まで4度に渡り、アラブ諸国と命がけの全面戦を戦った。エジプトやヨルダン、シリア、レバノン、イラクが本気になってイスラエルに挑みかかったが、勝利は毎度、イスラエルのものだった。イスラエルは、周辺諸国の核武装の兆しが見えれば、ためらうことなく、ターゲットに打撃を加えた。ウラン濃縮に取り掛かっているイランの核科学者など5人を暗殺したと言う噂も広まっている。国立外交院のイン・ナムシク教授(中東政治)は、「2000年間の長い離散の末に立てた国を、必ず守りぬくと言う強い意志を示したものだ」と主張した。

◆4日、米ワシントンで開かれた在米ユダヤ人のロビー団体、「米国・イスラエル公共問題委員会(AIPAC)」に、米バラク・オバマ大統領やリアン・ペネタ国防長官が出席した。オバマ大統領は、「イランの核兵器保有を防ぐため、必要なら、武力使用も厭わない」と明らかにした。AIPACは、米大統領選挙期間中に、民主・共和両党の大統領選挙候補を必ず招待し、イスラエルへの支持を誓わせる。朴宰善(バク・ジェソン)元モロッコ大使は、「AIPACは、イスラエル正規軍のすぐ後ろで、兵站支援を行う後方軍と同様だ」と評した。日常のテロの脅威の中でイスラエルが生きる方法だ。

ハ・テウォン論説委員 triplets@donga.com