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[オピニオン]明洞の韓国製ブランド品

Posted March. 06, 2012 09:31,   

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テレビドラマ「シークレートガーデン」の主人公、金・ジュウォンは、「イタリアの職人が一針一針縫って作った」トレーナーを着ている。数百万ウォンに上るフランス製アウトドア・モンクレールをまとい、山登りをする人たちをたびたび目にする。ノースフェイスの色合いで階級を区分するという子供らを叱るわけではない。韓国のブランド品市場は毎年、12%ずつ成長を遂げ、2010年は計45億ドル(約5兆ウォン)規模へと膨らんだ。家計所得でブランド品の消費が占める割合は5%と、日本(4%)を上回っている。ルイヴィトン・バックが、「国民のカバン」と呼ばれるほどだ。目ではブランド品とは見分けのつかない偽物市場も、盛況をなしている。

◆世界的にブランド品消費のトップは米国、2位は日本だ。しかし、人口規模から見た場合、世界のブランド品の23%を消費する日本が断然目立っている。昨年起きた東日本大震災の影響を受け、消費の勢いが下火になったとはいえ、日本人のブランド物への愛着は格別なものだ。一時、斜陽産業だった欧州のブランド品業界を蘇らせた立役者とも言える。不動産バブルで経済が好調だった時代、日本の消費者らは円高を武器に、欧州を駆け巡り、ブランド品を総なめした。その後をついで韓国が、いまや中国が加わっている。中国のブランド品市場も目立って成長を遂げている。

◆ブランド品消費の本家とも言える日本人が、「韓国製ブランド品」に目を向けているという。日本人観光客が、国内免税店で欧州製ブランド品を購入するのではなく、ソウル明洞(ミョンドン)などで、韓国人職人の技が生きていて、価格の安い手作り靴やカバンを買い求めている。手作り靴のほか、チョガクボ(端切を縫い合あわせてつくった風呂敷)、かんざしなど、韓国の伝統紋様や素材を活用した手作りカバンが人気だ。品質は欧州製ブランド品に劣らず、価格はその半分、または3分の1に過ぎず、まめな消費者らの心を虜にするのに十分だ。

◆革の生地を扱う技は、韓国技術者らは、世界のどこに出しても引けを取らないという評価を受けている。昨年、ルイヴィトン・バックなどの「A級偽物」製品を作り、市場に流通させ、日本に密輸した技術者が逮捕された。22年間カバンだけを作ってきた彼の優れた技にも関わらずブランドパワーが無く、事業に失敗すると、偽物作りに手を出した。韓国人の技術力を、職人文化の伝統を持っている日本人が先に気付いたことになる。韓国の手作り製品も、デザインやブランドパワーさえ強化すれば、今後、ブランド品として成長する可能性が高い。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com