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脱北お婆さんたちが送還阻止を訴える「特別なご馳走」

脱北お婆さんたちが送還阻止を訴える「特別なご馳走」

Posted February. 29, 2012 07:45,   

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「脱北者らが中国公安に捕まったという話を聞いただけでも胸がつぶれます。北朝鮮へ送られると、どうなるかよく知っていますので。同胞を助けるためなら、何でもやります」

初の脱北女性出身博士であるイ・エラン北朝鮮伝統飲食文化研究院長(48)の母親のイ・ジェドクさん(75)は北朝鮮に送還される危機に直面した脱北者の話が出ると、はっきりした声で話した。

イさんは28日、ソウル市陽川区新井洞(ヤンチョング・シンジョンドン)の陽川(ヤンチョン)マンションの福祉会館で特別な昼食を用意した。北朝鮮を離れて韓国に定着したほかの6人のお婆さんたちと一緒に住民100人あまりを招き、平壌(ピョンヤン)式スンデと開城(ケソン)餃子、ソンピョン(お餅の一種)など北朝鮮の料理をもてなした。無事に韓国に定着して暮せるように支えてくれた人々に感謝の気持ちを伝え、中国公安に捕まった脱北者の状況を知らせるためだった。

ソウル陽川警察署の協力の下、先月30日に立ち上げられた「ツツジ分け合い奉仕団」で活動するお婆さんたちは、北朝鮮の地を離れてから、家族と一緒に暮す平凡なことがどれほど厳しくて難しいことかを実感させられた。

奉仕団のお婆さんらは住民たちに温かい食事をもてなし、脱北者の涙ぐましい事情も知らせることにした。昨年3月から脱北お婆さんらのボランティア活動を後援している陽川警察署に後援を要請し、行事を準備した。行事前日の27日には夜の12時まで料理を作った。

奉仕団を率いているチョン・スンボクさん(71)は同日、休まず料理を運びながら、「一週間前からこの行事を準備しただけに、脱北者への関心を持ち続けてもらいたい」と強調した。陽川警察署保安課の警察官らも話を聞いて駆けつけてきて、食材を運搬し住民を案内するなど、積極的にサポートした。

脱北者強制送還の阻止を求め、23日から在韓中国大使館前でハンストを続けている娘の声を電話でのみ聞いているというイさんは、「娘を考えると可哀想だが、生命を助けることが先ではないか」と話した。

全て65歳以上のツツジ分け合い奉仕団のお婆さんたちは、1時間にわたる同日の昼食時間に一時も杓子から手を離さず、疲れた様子も見せなかった。

「脱北者がどれほど厳しい状況に置かれているか百も承知です。無事に帰ってくるのを望むだけです。たくさんの人々がこの問題に関心を持ってくれればと思います」



hparks@donga.com