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エジプトで拉致された韓国人、全員無事解放

エジプトで拉致された韓国人、全員無事解放

Posted February. 13, 2012 09:24,   

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エジプトのシナイ半島で聖地を巡礼していた韓国人3人が、ベドウィン(アラブ遊牧民)の武装勢力に拉致され、約29時間後に無事解放された。

10日午後4時30分、イ・ミンソン氏(53)とイ・ジョンダル氏(62)、現地の韓国人ガイドのモ・ジョンムン氏(59)は、シナイ山付近の遺跡である聖カタリナ修道院から約30キロメートル離れた地点で武装勢力に拉致された。ここは、先週ベドウィン族に米国人女性2人とエジプト人ガイドが拉致されて解放されたほか、9日には、仲間が1人銃で射殺されたことに反発して、エジプト人警察官19人がしばらく抑留された所でもある。

エジプトの現地警察によると、聖地巡礼客を乗せて移動中だった車両3台のうち、1台がトイレ休憩のために停車した時に事件が発生した。休憩時間を取っていた乗客が車に戻ると、潜伏していた小銃を持ったベドウィン族約10人が乗ったトラック2台が前をふさぎ、乗客にバスから降りるよう命令した。

アン・ヨンジプ在外同胞領事局長は、「誰もバスから降りようとしないと、武装勢力が一部の乗客の胸ぐらをつかんで軽くなぐり、前方にいたガイドのモ氏ら韓国人3人とエジプトの現地職員を連れて行った」と説明した。事件を目撃した一行は、ベドウィン武装勢力が金品を要求したり、銃を発射しなかったと伝えた。

武装勢力は、拉致した韓国人と投獄されている仲間の交換を望んだ。彼らは、拉致したエジプト職員を通じて8日、紅海のリゾート地の銀行強盗未遂で逮捕されて拘禁中のサレム・ゴマ・ウディ容疑者の釈放を要求したと、AFP通信が11日付で報じた。南部シナイ州知事と警察当局はベドウィンの族長の仲裁で解放交渉を行ったが、詳しい交渉過程や結果は伝えられていない。

拉致被害者らは、武装勢力の拠点を移動し、食事も与えられ、彼らから「申し訳ない」とも言われたという。武装勢力は、韓国政府には特に要求しなかった。交渉が終わった後、イ氏ら3人は無事に11日午後8時頃、イスラエルのタバー国境を越えて解放された。

一方、同行していた旅行客は、韓国政府や駐エジプト韓国大使館から旅行地域の危険性について事前に情報を受けておらず、不満を吐露した。ある旅行客は、「危険地域とは知らなかった。エジプトの状況について心配はしたが、最近、米国人が拉致されたという情報を現地に到着して知った」と話した。これに対して政府関係者は、「先月31日付で旅行自制警報がホームページに掲載されている」と説明した。

現在、シナイ半島は、拉致の影響で旅行客や巡礼客の足が途絶えた状態だ。シナイ山はモーゼが神から十戒を受けた場所で、ここを訪れる韓国人客が少なくないため、憂慮されていた。シナイ半島は、昨年2月のムバラク大統領の退陣以降、騒乱が続いている。ベドウィン族は、カイロ中央政府から差別を受けることに対する不満を示し、イスラエルにつながるガスのパイプラインを破壊し、地元の警察署を攻撃していると、AFP通信は伝えた。



journari@donga.com