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凍りついた西海…震える北朝鮮経済

Posted February. 10, 2012 05:28,   

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零下10℃以下の寒波が約1ヵ月続き、最近、北朝鮮地域の西海(ソヘ)が海岸から海側に40キロメートルも凍りついていることが確認された。鴨緑江(アプロクカン)河口から黄海道(ファンヘド)まで200キロメートルの海岸にかけてこれほどまで厚く凍ったのは、数十年に一度あるかないかの極めて異例のこと。このため、漁業、海運など北朝鮮の主要外貨獲得事業が支障を来たし、北朝鮮経済だけでなく新たに発足した金正恩(キム・ジョンウン)体制にも大きな重荷になると専門家らは見通した。

●平壌沖合い〜西韓湾〜鉄山まで長さ200キロメートル、幅40キロメートルの「氷ブロック」

高麗(コリョ)大気環境研究所と気象庁は9日、衛星写真を分析し、「先月初めから、平壌の沖合いから鴨緑江河口の沖合いまでの約200キロメートルの海域で、幅40キロメートル規模の結氷が観測された」と明らかにした。

衛星写真を分析した結果、先月10日頃から北朝鮮の西海が寒波で凍りはじめ、今月9日現在、平壌沖合いと鉄山(チョルサン)半島と長淵(チャンヨン)半島の間にある「西韓湾(ソハンマン)」は、海の上が白く見えるほど凍っている。また、黄海道殷栗郡(ウンユルグン)海岸一帯と西韓湾に流入する清川江(チョンチョンガン)、平壌につながる大同江(テドンガン)河口の南浦港(ナムポハン)も結氷したと分析された。高麗大気環境研究所の鄭用昇(チョン・ヨンスン)所長は、「過去に北朝鮮の海が一部凍ったことはあるが、今年の冬のように大規模に凍ったのは極めて異例だ」と話した。専門家らは、地球温暖化で北極の寒波が南下して発生した現象と見ている。

実際、今年の冬には北朝鮮に大規模な寒波が襲った。気象庁の分析の結果、北朝鮮の1月の平均気温は零下8.4℃で、平年(零下7.7℃)より0.7℃低かった。在日本朝鮮人総連合会機関紙の朝鮮新報などは最近、「平壌の気温は、昨年12月23日から今年1月31日までの40日間、零下圏に留まり、1945年以降、最も猛威を振るう寒さとなった」とし、「人々が大同江の上を歩いて渡るほどだ」と報じた。今月に入ってさらに寒くなり、2月(1日〜8日)北朝鮮地域の平均気温は零下11.1℃で、平年(零下6.5℃)より4.6℃も低くかった。

●北朝鮮政権にも大きな重荷

専門家らは、今回の結氷が発足したばかりの金正恩体制に経済的に大きな重荷になると分析した。北朝鮮の国内総生産(GDP)で漁業と農業が占める割合は、韓国(2.6%)の8倍の20.8%(2010年基準)だ。特に、北朝鮮の年間の水産物漁獲量は63万トンで、外貨獲得に大きな比重を占めている。

しかし、海が凍って2ヵ月以上漁船が出港できず、外貨獲得に大きな支障が出ていると伝えられた。北朝鮮研究学会の高有煥(コ・ユファン)会長は、「北朝鮮の経済は、中国に水産物などの1次商品を輸出しなければならないが、海が凍って船が動かなければ、外貨獲得に大きな問題となる」と指摘した。

北朝鮮沿海のほかにも、中国の遼東湾、ロシアのウラジオストクの海も凍りつき、海運輸送に支障を来たしている。南北関係の硬直により韓国、日本との貿易が鈍化しているため、北朝鮮の対中国貿易の割合は56.9%にのぼる。東国(トングク)大学北朝鮮学科の金榕鍱(キム・ヨンヒョン)教授は、「北朝鮮経済にとって海運業が大変重要だ」とし、「海が凍って北朝鮮の海運輸送に莫大な支障が生じれば、北朝鮮経済に大きな不安要素になるだろう」と分析した。

問題は、氷の厚さが増しているという点だ。国家気象衛星センターの分析の結果、1月の衛星観測では、北朝鮮の西海の氷ブロックと海の境界がくもっていたが、氷が一層厚くなり、2月には海と氷ブロックの境界線が鮮明になっていた。鄭所長は、「北朝鮮地域の気象状況から判断して、当分の間、氷はさらに厚くなり、3月初旬まで溶けないだろう。2ヵ月以上、漁業と海運の身動きが取れなければ、北朝鮮社会に致命打となる」と指摘した。



zozo@donga.com