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[オピニオン]チャールズ・ディケンズ生誕200周年

[オピニオン]チャールズ・ディケンズ生誕200周年

Posted February. 07, 2012 07:52,   

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英国南部の小都市ポーツマスで最も貧しい地域である「チャールズ・ディケンズ」で、今日から祭りが行われる。「クリスマス・キャロル」、「オリバー・トゥイスト」で有名な小説家チャールズ・ディケンズ(1812〜1870)が200年前の今日、この町で生まれたことを祝う祭りだ。当代最高の富と名声を享受した作家の名前と衰退した地域の風景が不釣り合いだが、ディケンズの玄孫は誇りとしている。「祖父は名前が豪華マンションについているはるかにいいと言うでしょう」。

◆ディケンズは12才の時、債務関係で収監された父親のためにロンドンの靴墨工場で1日10時間働かされた経験がある。そのため、「ディキンジアン」と言えば労働者の貧しい暮らしを意味するほど、彼は労働者に対する抑圧と搾取、資本家の貪欲と傲慢、政治家の腐敗と堕落を痛烈に告発した。1854年に生まれた小説「ハード・タイムズ(Hard Times)」は、産業革命初期に苦しい暮らしを送っていた庶民が実際によく使う言葉だった。ディケンズと同時代を生きたカール・マルクス(1818〜1883)は、「政治的、社会的真実に対してどの政治家や言論人、道徳主義者よりも、より多くのことを語ったのがディケンズだった」と言った。

◆マルクスは「労働者よ、団結せよ」と叫び、最後には資本主義が崩壊し、共産主義が勝利すると信じて疑わなかった。しかし、産業革命の進展と共に資本主義も進化した。労働者がどれほど働いても貧困から抜け出す道がなかったディケンズの時代は、初期資本主義1.0の時代だった。政府の役割を強調する1930年代の修正資本主義(2.0)と市場の自律を重視する1970年代の新自由主義(3.0)を経過し、むしろ共産主義が崩壊した。成熟した資本主義が中産層を厚くすればするほど、「無産者のユートピア」に対する関心は弱まらざるを得なかった。

◆ディケンズ生誕200周年を迎える今日、労働者の苦しい暮らしが再び関心を集めている。所得格差で中産層が崩壊し、一部ではマルクスに対する関心も蘇っている。しかし、世界的な経済危機から教訓を得るなら、「市場経済は有能な政府なくして作動できないという点だ」と「資本主義4.0」の著者、アナトール・カレツキーは言う。ディケンズは社会改革主義者であり、社会主義者ではなかった。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com