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韓国産キューブサット、月面の水生成の謎の解明に期待

韓国産キューブサット、月面の水生成の謎の解明に期待

Posted January. 26, 2012 06:57,   

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プロジェクト「ルナ・インパクター」は昨年初め、韓国の人工衛星技術に注目した米航空宇宙局(NASA)の積極的な「ラブコール」で始まった。

韓国航空宇宙研究院(航宇研)は当初、NASAの提案が具体的でないうえ、予算も莫大だったため躊躇した。しかし、NASAの粘り強い提案を受け、共同推進に合意した。2020年代から本格的に月の探査を行う計画の韓国としては、NASAとの協力によって月探査の経験を積み、ノウハウを学ぶことができる良い機会だと判断したからだ。

NASAと航宇研の最初の出会いは、昨年4月慶熙(キョンヒ)大学ワールド・クラス・ユニバーシティ(WCU)月軌道宇宙探査事業団が国際ワークショップを開催し、両者を招待したことによる。当時NASAは、「ルナ・インパクター」について概念だけ知っているという状態で、航宇研に共同推進の意向を打診してきた。その後数ヵ月間、電話や電子メールなどで意見を交わし、昨年11月、航宇研が教育科学技術部関係者と共にNASAエイムズ研究センターを訪れ、具体的な協議が行われた。両者は互いの役割を話し合い、予算の分担などについて深く議論した。

NASAの推算によると、「ルナ・インパクター」には総額5000万ドル(約563億ウォン)が投入されると予想される。ここには、キューブサット2、3機と月までキューブサットを搭載するロケットの製作などが含まれる。NASAが09年に2.4トン級の大型衝突体を月に送った「エルクロス(LCROSS)」プロジェクトに7800万ドル(約878億ウォン)を投じたことと比較すると、「ルナ・インパクター」は相対的に安いコストで重要な成果が期待されている。

これまで、航宇研で月探査研究を総括進行してきたチュ・グァンヒョク未来飛行体研究チーム長は、「ルナ・インパクターは、世界に韓国の月探査の意志と技術力を知らしめる絶好の機会になる」と語る。

「ルナ・インパクター」の任務は、月にある水(氷)生成の端緒を捜し出すことだ。これまで、月は乾燥して干からびていると考えられていたが、08年にインドが打ち上げたチャンドラヤーン1号が月に氷状態の水が6億トンもあるという事実を明らかにして以来、宇宙大国の関心が急速に月に集まっている。月に宇宙基地を建設しようという人類の計画が一層近づいたためだ。

専門家らは、月に氷が埋まっている場所が噴火口という点に注目している。チャンドラヤーン1号は、月の北極にある直径2〜9キロメートルの噴火口約40ヵ所で氷を発見した。NASAも月の南極の20〜30メートルの大きさの噴火口から少なくとも95リットルの氷を発見した。

ところで、月の噴火口の中には周辺に比べて磁場が強い場所がある。月は、地球とは違い磁場が非常に弱い。地球が北極(N)と南極(S)を持つ一つの巨大な磁石であり、磁場が一定に分布する反面、月は噴火口を中心に所々に磁場の強さが異なる。98年、NASAエイムズセンターが打ち上げた「ルナ・プロスペクター(Lunar Prospector)」が月の上空約100キロメートルで磁場を測定して以降、初めてこのような事実が明らかになった。

ルナ・インパクターは、ルナ・プロスペクターを一層「グレードアップ」させた任務だ。ルナ・プロスペクターは、月の近くに接近できず、月の上空からだけで磁場を測定した。ルナ・インパクターは、キューブサット2、3機が月の表面近くに降りて、高度によって月の磁場を測定することができる。

月の磁場研究で世界的な権威である米カリフォルニア大学サンタクルーズ校のイアン・ガーリックベセル教授は、「『ルナ・インパクター』は、世界で初めて月面近くの磁場を撮影するだろう。月になぜ水(氷)ができたのか、月の磁場とどのような関係があるのかを明らかにするうえで、重要な役割を果たすことを期待する」と述べた。



uneasy75@donga.com