Go to contents

危機の世界経済、中国の高級ブランド品消費が支える?

危機の世界経済、中国の高級ブランド品消費が支える?

Posted January. 19, 2012 08:19,   

한국어

中国商務省は先月末、変わった発表をした。年内に20都市に有名ブランド品直売所を作るということだった。それも、直売所にベルサーチなど欧米の30あまりの有名ブランド品とともに入店する大規模のものだ。しかも、地元で新商品を発表するときは、同じ時期に同じ価格で中国でも販売できるようにするという構想だ。商務省は、計画の詳しい内容については明らかにしていないが、30〜100%に上る有名ブランド品に課される関税を免除する案も打ち出される可能性もある。

関税障壁で悪名高い中国だが、今回の決断は、自国民の間で巻き起こっている有名ブランド品フィーバーが背景にある。世界名品協会(WLA)によると、昨年、中国人たちは欧州だけで500ドル規模の有名ブランド品を買い漁っている。結局中国政府としては、有名ブランド品直売所を作ることで、航空料や宿泊料で流出される外貨のセーブを狙った苦渋の選択だった。

世界経済が回復の手がかりをつかめないでいるなか、有名ブランド市場が、景気の更なる後退を食い止めているという分析が出ている。消費の低迷にもかかわらず、世界各国の有名ブランド品の販売は、伸び続けているからだ。

イタリアの有名ブランド「プラダ」は、昨年上半期の純利益が前年比75%増だった。英国のバーバリーは昨年第3四半期(7〜9月期)の売上が前年同期比21%伸びた。同国の高級車ブランドのロースロイスは昨年、107年の歴史で最高の販売実績を記録した。カルティエなどのブランドを保有しているリッチモントグループの株価が、2009年に比べて3倍に値上がりしたのも同じ脈絡の中で理解できる。

有名ブランド業界では、とくに中国市場に注目している。18日、チャイナーデイリーによると、昨年、中国の有名ブランド品消費量は、初めて1000億人民元(約18兆ウォン)を突破したものと推定されるという。これは、2010年に比べて20%以上伸びたもので、中国内の売り場だけを対象に集計したものだ。

コンサルタント会社のマッケンジーは、世界の有名ブランド品(車両と自家用航空機などは除外)の消費において、中国が占める割合が2010年に、すでに10%に達しており、2015年には20%に拡大されると予測した。ドイツのコンサルタント会社であるローランド・ベルガーのアナリスト、バーナード・マレック氏は「今のような推移なら、まもなく中国が全世界の有名ブランド品消費の70%を占めることになるだろう」と分析した。

中国市場の特徴は、有名ブランド品の中心的な消費層が15〜20歳と年齢層が非常に低い上、「メンツ消費」が一般化していることだ。青少年たちまで周りの目を意識して有名ブランド品に熱狂しているだけに、彼らが30、40代になれば、市場規模が劇的に拡大されるのは必至とも言われている。このため、エルメスやシャネルなどは中国地方の中小都市にまで売り場を展開している。

有名ブランド消費の増加は、経済難に苦しんでいる欧米各国にプラスになっているという面で、世界経済を支えているとも言えるという。有名ブランド品は、ブランド価値を保つため、インソーシング(Insourcing=自国や自社で製品を生産すること)の割合が、一般製造業より高い。売上の増加が欧米の雇用を支えていると言われる所以だ。

しかも2009年のグローバル金融危機とは違い、現在の経済危機の状況下では、財政拡大など世界経済をけん引できる政策手段が制限的であることから、有名ブランド品の消費に対する見方も分かれる。昨年、スペイン支援の名目で中国が買い入れた国債は4億ユーロ(5億1000万ドル)に過ぎないが、中国人旅行客が欧州で買い入れたブランド品は500億ドルに上り、このような見方を裏付けている。



koh@donga.com