Go to contents

[オピニオン]ハンバーガーよりおいしい数学

[オピニオン]ハンバーガーよりおいしい数学

Posted January. 12, 2012 03:00,   

한국어

ポステック浦項(ポハン)数学研究所が6日から14日にかけて開催する国際冬季学校のテーマは、「バーチ・スウィンナトーン=ダイアー(BDS)予想」だ。楕円曲線を有理数で定義する方程式の回答が有限なのか、無限なのかを明らかにする問題だ。BDS予想は1965年、ケンブリッジ大学教授のブライアン・バーチとピーター・スウィンナトーン=ダイアーが作った仮設だ。クレイ数学研究所(CMI)が問題を解いた人に、100万ドルを提供する「ミレニアム7問題」の一つだ。

◆このプログラムを率いている定数論の世界的権威者のポステックのジョン・コーツ碩学教授は、「定数論での中国の浮上が目覚しい」と語った。日本は数学のノーベル賞と言われているフィールズ賞の受賞者が3人もいる「数学大国」だが、中国が日本を猛スピードで追撃している。宇宙開発に乗り出した中国の底力である頑丈な基礎学問から出ていることを確認することができる。経済協力開発機構(OECD)の09年の学業習熟度の国際比較研究(PISA)によると、韓国の15歳の生徒らの数学の実力は、世界1、2位だ。にもかかわらず、我々にはなぜ、フィールズ賞の受賞者がいないのか。

◆暗記や問題解決に主眼を置く入試数学に一次的責任がある。数学は大学に入るために勉強しなければならない学問にすぎず、心底から数学を楽しみ、理解する人が珍しい(あまりいない)理由でもある。数学の大衆化に努めた金容雲(キム・ヨンウン)元漢陽(ハンヤン)大学教授は最近の著書で、「ロゴス(数学精神)の欠如が、我が国の一流国家への仲間入りを妨げている」と指摘した。話し合いよりは暴力を、討論よりはろうそくデモを好む社会風土は、韓国社会の数学水準の低さと無縁ではないと言う意味だ。

◆日本の桜美林大学・数学科の芳沢光雄教授は、日本全国の小中高校100校あまりで、教科書に無い身近な素材で数学を講義している。氏は、「できるようになりたければ、まず好きになるべきだ」と主張している。芳沢教授が書いた、「ハンバーガーよりうまい数学物語(数学で遊ぼう=ブルーエレファント発売)は、誕生日を当てるゲーム、累乗のマジック、床を埋めるなどを通じ、数学がどれだけ楽しい学問かを知らせている。教育科学技術部が数学教育を問題解決から、概念原理やストリーテーリングを強化した内容へと変えると、最近発表した。数学を楽しく学んだ新しい世代が、「100万ドル問題」を解決することを願う。

鄭星姬(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com