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[オピニオン]金正恩の北朝鮮、狂気の脱北者銃殺

[オピニオン]金正恩の北朝鮮、狂気の脱北者銃殺

Posted January. 04, 2012 07:52,   

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4日前の昨年12月31日、北朝鮮軍が脱北しようとした住民を射殺した事件は、金正恩(キム・ジョンウン)時代の北朝鮮の姿を予感させる。北朝鮮軍は、両江道恵山(ヤンガンド・ヘサン)から中国に脱出しようと鴨緑江(アプロクカン)を渡っていた40代の男性3人を銃殺した。凍りついた川の上を必死に逃げていた彼らは、そこで無念にも生を終えた。体制を誤って選んだ罪のほかに彼らに何の罪があるのか。21世紀の世界のどこにも見られないこのような反人倫集団が、その首魁の金正日(キム・ジョンイル)の死を哀悼しないからと、韓国政府を「破倫」云々することは、言語道断であり、盗人猛々しいことこの上ない。

◆今回の脱北住民の銃殺は、金正恩氏が人民軍最高司令官に推戴された翌日に起こった。住民射殺の知らせは、すぐに近隣地域に伝わった。中国消息筋を通じて北朝鮮住民の死を確認した拉致脱北人権連帯のド・ヒユン代表は、「北朝鮮当局が恐怖心を煽るために意図的に住民に伝えたようだ」と話した。北朝鮮軍は脱北防止用の地雷も埋め始めた。自由北朝鮮放送のキム・ソンミン代表は、咸鏡北道茂山(ハムギョンブクト・ムサン)に配備された大隊級部隊が2日、豆満江(トゥマンガン)流域の国境地帯に地雷を埋める作業をしたと伝えた。

◆北朝鮮は、脱北者に対する取り締まりを昨年後半から大幅に強化した。金正恩氏は昨年6月、北朝鮮住民9人が小型船に乗って韓国を脱出すると、「脱北者は発見次第射殺せよ」と指示した。金総書記死去後は、「脱北者が発生すれば3族を滅ぼせ」と強度を上げた。このような脅威のため、豆満江と鴨緑江からの脱北はしばらく減るかもしれないが、人間らしく生きようとする北朝鮮住民の死闘は続くだろう。

◆北朝鮮は、金総書記が核廃棄に向けた9・19共同声明に合意し(それも偽りの合意だったが)、日本人拉致を認めたことを挙げ、度量の大きな「広幅政治」だと称賛した。しかし、金正日、金正恩親子が行った政治は、恐怖で自分たちの安全だけを守ろうとする「狂暴政治」にすぎない。世界がこのような世襲独裁体制の安定化を助けることは、結局は2400万の北朝鮮住民の恐怖を増すことになるということを国際社会と韓国国民は直視する必要がある。自由と民主の日が世界を照らしているにもかかわらず、我が民族の半分が暮らしている北は、いつまで閉鎖を続け暗黒の世界であるのか。

方炯南(パン・ヒョンナム)論説委員 hnbhang@donga.com