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裁判官の相次ぐ逸脱言動、司法府の権威と信頼崩壊への懸念強まる

裁判官の相次ぐ逸脱言動、司法府の権威と信頼崩壊への懸念強まる

Posted December. 31, 2011 11:13,   

Updated January. 04, 2018 17:39

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裁判官たちの社会常識から逸脱した言動を引き合いに、法廷で裁判当事者が裁判長に抗議する事件が発生したことを受け、法曹界では司法府の権威と信頼を懸念する声が高まっている。

●裁判官に「慎重な言動」要求、SNSは「公論の場」

裁判官たちは今度の事件と似たような出来事が引き続き発生するのではないか心配した。ソウル中央地裁のある判事は、「今度の出来事は始まりにすぎない」とし、「砂城のように法廷の権威と信頼も一瞬にして崩れかねない」と懸念した。

ソウル高裁の部長判事は、「裁判官は法服を着ていない時も品位ある言動を心がけるべきだ。そうしないと、今回の事件ように裁判官と裁判所への信頼が崩れてしまう」と言い「『法官は名誉を尊重し、品位を維持する』(第2条)という法官倫理綱領もそのために存在する」と指摘した。また、他の裁判官は、「何の罪のない裁判官に被害がもたらされることになった。個人ではない裁判官として意見を示したことになるので、裁判官全体と裁判所を考えるべきだった」と批判した。

成楽寅(ソン・ナクイン)ソウル大学法学部教授は、「裁判官は弾劾もしくは禁固以上の刑を受けなければ罷免されないなど、憲法は司法府の独立のため、裁判官の独立性を特別に保護している」とし、「ところが、最近一部裁判官の言動を見ると、彼らまで特別に保護してあげる価値があるのか疑問に思える」と話した。成教授は「SNSの空間は個人的な領域ではなく、事実上公開された公論の場だ。法廷の外だからと言って、一般と同じ位置で話すのではなく、裁判官らしい言動をしなければならない」と加えた。

反面、西江(ソガン)大学法学専門大学院の王相漢(ワン・サンハン)教授は、「裁判官も国民の一人として憲法が保障する表現の自由を享受できる」とし、「社会に懸念する空気があるのは確かだが、裁判官個人がこれを甘受して表現の自由を享受しようとすれば仕方のないことだ」と話した。

●自粛と反省で信頼を取り戻す

裁判所の一部では、「適切な対応が必要だ」という反応も出た。ソウル中央地裁のある裁判官は、「今回の問題について表向きに意見を出すこと自体が論争を拡大させると思って、裁判官たちは沈黙していたが、内部に懸念する声が多かった」とし、「今回の事件によって懸念したことが現実になった以上、手を拱いてばかりいるわけにはいかないという気もする」と話した。

地方裁判所長出身の弁護士は、「最高裁の悩みが深いだろう。拘束力のある対応がかえってSNSでの議論を触発しかねないため、なかなか解決策が見つからない」と話した。

今回の議論が自浄を通じて解決するのを期待する声も多かった。ソウル中央地裁の裁判官は「今回の事件で裁判官たちの『下品な言動』がどのような副作用をもたらすか十分反省したはずだ」とし、「すでに徐基鎬(ソ・ギホ)裁判官も言葉遣いを慎重にすると話しているなど、自粛する姿を見せているだけに、自然な形で事態の沈静化に向うことを期待している」と話した。



minki@donga.com