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[オピニオン]いじめの暴力の背後にあるオンラインゲーム

[オピニオン]いじめの暴力の背後にあるオンラインゲーム

Posted December. 29, 2011 09:00,   

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「メイプルストーリー」は、ネクソンがサービスしているオンラインゲームだ。ゲームのキャラクターがモンスターを倒せば、点数や経験値が上がりレベルアップする。キャラクターの職業は冒険家やシグナス騎士団、アラン、レジスタンス、キャノンシューターなど様々だ。レベル200が最高等級だ。小学生の息子に聞いてみたところ、自分のレベルは、アラン113、レジスタンス43で、最近、キャノンシューターを始めたという。息子は、ゲームのストーリーについて意気込んで説明したが、率直に言って、あまり理解できなかった。

◆「いじめによる暴力」の波紋を起こした大邱(テグ)の中学生自殺事件は、このゲームと関係がある。加害生徒の一人のIDがハッキングされゲームアイテムが無くなると、加害生徒が、自殺した生徒にゲームをさせ自分のレベルを上げさせた。被害生徒は暴力や脅迫を恐れ、されるがままに毎日何時間も、あるいは明け方までゲームをした。警察が、彼らがやり取りした携帯メールについて調査した結果、その大半がゲームについて奮起させる内容だった。ゲームが、子供らを暴力と死に追い込んだといっても過言ではない。

◆今年3月、釜山(プサン)では、ゲームを巡る問題で両親とトラブルを起こした一人の生徒が、高校の入学式に出席せず、マンションの屋上から飛び降り自殺した。昨年11月には同様に、釜山で中学生が、自身のゲーム中毒を咎めた母親を殺して自殺し、「シャットダウン制(16歳未満の青少年は夜0時からアクセスできない制度)」を導入するきっかけとなった。昨年12月、名門大学を中退した米国の20代の若者が、前日夜のゲームの興奮が醒めない状態で、「一番最初に目に付いた人を殺す」と凶器を手にし、最初に目に付いた住民を殺害した事件もあった。

◆政府が10年にインターネット中毒の実態について調査を行った結果、青少年の中毒比率(12.4%)は、成人(5.8%)の倍以上も高かった。ネット中毒にかかった人の80%以上が、ゲームを通じてはまっていった。今回の事件を巡り、ゲーム業界は責任逃れに一貫している。ゲーム業界の関係者は、「『メイプルストーリー』は、暴力性が少なく、女性も楽しめるゲームだ。加害生徒が直接ゲームをしたわけではないため、ゲーム中毒ではない」と言い逃れた。果たして自分の子供がゲームをし、自殺をしてもこのようなのんきなことが言えるのだろうか。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com