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[オピニオン]ステルス

Posted December. 17, 2011 07:52,   

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英国の作家、H.G.ウェルズが1897年発表した小説「透明人間」を読んだことがなくても、「私が透明人間になったら…」という想像をしてみた人は少なくないだろう。私の身体が見えなかったら、何でも好きなようにできそうで、人の秘密も盗み見れるという想像。生態系で身体を隠す一般のやり方は保護色で偽造することだ。カメレオンがその都度肌の色を変えるのがそうだ。氷の世界の捕食者、ホッキョクグマは雪原に白い身を隠してオットセイに密かに近寄って致命的な一撃を加える。

◆戦争で勝利を収めるためには、敵に動態を探知されないのが重要だ。ギリシャ神話の中のトロイの木馬は、高度の心理戦を通じて展開した隠ぺい術の粋だった。地形地物を利用した待ち伏せは少数の兵力で大軍を退ける計策だ。乙支文徳(ウルジムンドク)の薩水(サルス)大捷、姜邯賛(カン・カムチャン)の亀州(クィジュ)大捷、金佐鎭(キム・ジャジン)の駙山里(チョンサンリ)戦闘がいずれも待ち伏せ戦術の勝利であるのは偶然でない。

◆先端電子戦の様相を呈している現代戦で、空軍力は開戦初期、敵の火力を無力化させる上で決定的だ。1991年1次湾岸戦争当時、イラクの戦闘機は出撃さえできなかった。一番の立役者は敵軍のレーダーや赤外線探知機、音響探知を避けられる事実上最初のステルス機の米軍のF117爆撃機だった。ただし、F117機は機動性が良くなくて、地対空ミサイルに弱く、夜間にのみ爆撃任務を遂行できた。1時間の攻撃に55時間を整備しなければならない不便さもあった。レーダー探知を防ぐため、機体の外部に塗る特殊塗料作業のためだった。

◆日本政府が次世代戦闘機として最新のステルス機能を持つ5世代戦闘機F35を選定した。この戦闘機が投入される15年になると、北東アジアの上空は中国の殲20、ロシアのスホーイT−50PAK−FAと共にステルス戦闘機の世界になる。韓国も来年10月、次世代戦闘機の選定を控えている。ステルス機のF35や非ステルス機のF15SE、ユーロファイターの3機種が競合している。韓国軍は8兆2000億ウォン以上がかかる大型購買である上、大統領選挙直前なので極めて慎重な様子だ。ステルス機能が機種選定の金科玉條ではない。最も重要なのは、名実共に最強の機種を選ぶのだ。報復打撃力が卓越して、敵が挑発する気になれない圧倒的な戦争抑止力まで備えているなら申し分ない。

ハ・テウォン論説委員 triplets@donga.com