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「車よりIT機器」、運転免許を取らない若者が増加

「車よりIT機器」、運転免許を取らない若者が増加

Posted December. 09, 2011 07:53,   

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会社勤め2年目の李某さん(30=ソウル江東区)はまだ運転免許がない。通勤は地下鉄を利用し、急用があるときはタクシーを乗る。李さんは、「わざわざ免許を取り、車を運転しなければならないほどの必要性は感じていない」とし、「車の維持費として使うお金があるなら、趣味のために使いたい」と話した。音楽に関心の多い李さんは、ヘッドホンやスピーカー、タブレットパソコンのような情報技術(IT)機器に、お小遣いの大半を使っている。

若いドライバーが減っている。スマートフォンやタブレットPCなどが普及し、若い世代の関心が、自動車から情報通信(IT)機器へと移行しているためだ。雇用不安を受け、所得が減ったことも、若いドライバーの減少に一役買っている。

●韓米日、若者世代の自動車離れ

8日、警察庁によると、国内の新規運転免許取得者のうち25歳以下の人口が占める割合は、05年の19.2%から昨年は13.9%へと下がった。同年代が総人口に占める割合が6.4%(05年)から7.5%へと上昇したことを考慮すれば、若年層はますます運転免許を取っていないことになる。

外国も状況は似ている。韓国自動車産業研究所(KARI)によると、米国は16〜19歳の人口のうち、運転免許保持者の比率が急激に下がっている。1983年には19歳の人口の87%が運転免許を持っていたが、08年は75%までに下がった。日本も、18〜19歳人口のうち運転免許保持者の割合は、02年は36.5%だったが昨年は33.3%に止まった。

KARIは、「各国では車の売り上げは地道に増えているが、運転や車に対する若年層の関心はむしろ減っている」と明らかにした。

●原因は、スマートフォンと就職難

若年層のドライバーが減少しているのは、「車より安くて、より楽しい」存在が登場したためだ。スマートフォンやタブレットPCなどのIT機器は、車に比べ価格が格段に安い。さらに、ソーシャルネットワークサービス(SNS)、動画、音楽鑑賞、ネットサーフィンなど、様々な機能を備えており、どこに行っても何時でも持ち歩くことができる。

KARIのクァク・テギュン主任研究員は、「かつては若者らが車を通じて個性を表現し、成人であることを認めてもらいたがったが、今は、IT機器が、それに取って代わっている」とし、「米国の18〜24歳人口の46%が『車よりスマートフォンがほしい』と回答し、同様の傾向を示している」と分析した。彼らは、インターネットやSNSと共に成長した世代だ。

さらに、就職難や非正規職の拡大などで、若年層の所得が減ったことも、影響を及ぼしたものと見られる。高麗(コリョ)大学・心理学科の成瓔信(ソン・ヨンシン)教授(元韓国消費者学会会長)は、「車や住宅など支出が長期間続く製品は、未来の見込み所得を楽観できてこそ買うことができる」とし、「就職難などで『不安』が世界の若者たちを支配している上、たとえ就職ができても、未来への不透明さのため、所得を楽観できない」と話した。

「就職後は車の購入」という公式は、もはや通じない。成教授は「かつて、若者たちが車を通じて満たそうとした自己表現の欲求を、今は、もっと安く個人をうまく表現できるIT機器やブランド品などを通じて満たしている」と加えた。

●メーカー、新モデルで若年層に「車の魅力」アピール

このような流れに、自動車メーカー各社は対策作りに乗り出している。長期的には需要減少へとつながりかねないからだ。日本トヨタ自動車の豊田章男社長は先月30日、東京モーターショーで、記者団に対して「若年層の車への関心はかつてほどではないことを認めざるを得ない」とし、「彼らの関心を、再び引き寄せるために、様々な取り組みを進める計画だ」と話した。トヨタが最近、人気漫画キャラクターの「ドラえもん」を、広報モデルに打ち出したのも、普及型スポーツカー「86」を来年1月から販売するのも、「車と運転は身近で魅力的なものだ」というメッセージーを若年層に送るためだ。

現代(ヒョンデ)自動車も同様に、今年、若年層をターゲットにしたブランドである「プレミアムユースラブ(PYL)」を披露し、初モデルとして独特なデザインの「ベロスター」を出した。現代車は来年、PYLブランドマーケティングにより多くの予算を投入する計画だ。現代車の関係者は、「従来のやり方とは異なるPYLブランドマーケティングを通じ、若年層の感性に応えるのが狙いだ」とコメントした。



alwaysj@donga.com gene@donga.com