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小学生拉致→脅迫電話→カーチェイス、そして検挙 2時間25分の追跡戦

小学生拉致→脅迫電話→カーチェイス、そして検挙 2時間25分の追跡戦

Posted November. 26, 2011 03:24,   

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25日午前8時20分頃、慶尚北道永川市完山洞(キョンサンプクト・ヨンチョンシ・ワンサンドン)のある駐車場。小学校1年生のS君(8)とS君の母親の金氏(39)が車に乗ろうとした瞬間、後から突然男が凶器を突きつけ、親子を脅した。この男は、S君の手を取って、金氏の車に乗って消えた。

金氏の通報で出動した警察は、現場周辺の防犯カメラを確認した。40代と見える犯人が、近くの別の駐車場に入る姿が確認された。犯人は事前に止めておいた自分の車に乗り移り、慶尚北道慶山(キョンサン)の方角に向かった。防犯カメラでは、S君は毛布をかぶされて助手席に座り、犯人はマスクで顔を隠していた。

事件発生24分後の8時44分、S君の家に電話がかかってきた。犯人だった。「警察に届けるな」。警察は直ちに逆探知した。霊泉(ヨンチョン)と大邱(テグ)の間にある京釜(キョンブ)高速道路の慶山サービスエリア内の公衆電話だった。

慶北警察署は、犯人が大邱へ向かっていると考え、大邱警察に捜査の協力を要請した。直ちに大邱と慶北の全地域の警察に緊急令が下され、リアルタイムの統合指令によって犯人の追跡が開始された。これまで、大邱東区孝睦洞(ヒョモクトン)の東村(トンチョン)遊園地、新川洞(シンチョンドン)の結婚式場、大邱北区古城洞(コソンドン)の大邱市民野球場などの公衆電話から、「金をどれくらい用意できるのか」、「現金2億ウォンを5万ウォン札で用意しろ」という犯人からの電話がかかってきた。犯人は警察の追跡を避けるために場所を移していたのだ。

警察は、大邱市内全域の公衆電話ブースに警察官を配置し、主な逃走経路を捜索した。すると、電話をかけるために場所を移した犯人の車が大邱寿城区蘆辺洞(スソンク・ノビョンドン)の寿城インターチェンジの入り口付近で発見された。警察は、無電でリアルタイムで移動状況を伝え、追跡を始めた。刑事の車とパトカーの3台が追跡し、包囲網を狭めていった。パトカーにぶつかって逃げた犯人の車は、慶山市南川面(キョンサンシ・ナムチョンミョン)のある公園で止まった。その瞬間、車を警察官約10人が取り囲んだ。

逃げられないと思った犯人は、助手席にいたS君を運転席に引き寄せ、首に凶器を突きつけた。緊迫した状況は約10分間続いた。警察官らは、「子どもに危害を加えなければ、情状酌量の余地がある」と自首を促した。タバコも与えた。力で制圧することもできたが、子どもがケガをする恐れがあると考えたからだ。長いため息を何度かついた犯人は、凶器をおろし、車から降りた。2時間25分、S君が犯人の手から解放された瞬間だった。機敏な警察官の対応によって、犯人は一銭の金も拝めずに検挙された。

犯人は00年から4年間、S君の家に間借りし、靴店を経営していた李容疑者(40)だった。事業に失敗して1億ウォンの借金をし、生活苦から大家の息子だったS君を犯行の対象にしたのだ。李容疑者は、警察の取調べで、「若い夫婦が不動産もあり、外車にも乗って金がありそうだったので、犯行を計画した」と話した。警察は26日、李容疑者に対して人質強盗の容疑で拘束令状を申請する予定だ。



inho@donga.com