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[社説]朴元淳・新ソウル市長に願うこと

[社説]朴元淳・新ソウル市長に願うこと

Posted October. 27, 2011 04:10,   

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市民運動化から一躍首都ソウルの市長に選ばれた朴元淳(パク・ウォンスン)氏は、選挙戦の中で自身の向けられた疑問の視線を払拭することが急務だ。朴新市長が長い間苦楽をともにしてきた市民団体の活動家らをソウル市に連れ込み、前市長が進めていた数々の事業を一からひっくり返すのではないかと懸念する声が、ソウル市民の中で出ているのが現状だ。朴新市長は、多くの市民団体出身の活動家たちに助けられた。ソウル市の高官はもちろん、事務職や配下の機関に市政経験に欠けている市民団体出身が多数起用される場合、既存の公務員たちとの軋轢を招き、市政に混乱を引き起こしかねない。

朴新市長も、13日付で報道された東亜(トンア)日報のインタビューで「市民団体出身の活動家たちがソウル市に入るのか」という質問に、「選挙で助けてもらったからといって市政を任せる考えはない」とし、「ソウル市公務員を排除して、外部から無理に入れた人たちが(市政を牛耳ったり)するのは困る」と話した。その約束が守られることを望む。

今回のソウル市長補欠選挙は、小中学生の全面的無償給食に対する賛否を問う投票結果に対する責任を取る形で呉世勲(オ・セフン)市長が辞任したため、突然実施された。朴氏も、十分な時間をかけて温めた公約を出したとは言い難い。実際、朴氏が掲げた多くの公約は具体性に欠けていたし、当選後に再検討するというレベルのものだった。80%の進捗率を見せている楊花(ヤンファ)大橋の構造改善工事について、朴氏は「中止させる」「(工事を中止させ)見せ掛け行政の手本として残したい」と述べたが、ここに来て、朴氏の選挙陣営の関係者は「すでにブリッジを取っ払う工事に突入しているので、どうしようもない」と言って態度を変えた。

朴氏は、選挙戦中の10日にあった寛勲(クァンフン)討論会で「市政の一貫性を重視する」と話した。市長が替わったからと言って前任市長がしていたことを全否定して覆しては、市政が一貫性を失い、税金の浪費も深刻になる。今すぐ、漢江(ハンガン)ルネッサンス事業について、何が見せかけ行政なのを仕分けるのも容易なことではない。客観性と専門性を認められている専門家と市民たちの意見を十分に聞いた上で、合理的な結論をだすべきだ。

朴新市長は、実現可能性が疑わしいか、ソウル市財政に大きな負担をかけるような公約については、再検討しなければならない。ソウル市の負債を7兆ウォンも減らすとして、公共賃貸住宅を8万戸も建設するとした公約は、実現可能性が疑わしい。公共賃貸を引き受けることになるSH公社は、財政的に深刻な圧迫を受けている。過去30年間で建設された公共賃貸住宅は12万戸に過ぎない。

ソウル市長は、基本的には仕事で評価されるポストである。ソウル市長が、現実政治に関与していては、「市政は後回しにしている」と批判されるのは当然だ。当初、ソウル市長選への立候補を名乗り出たときに明言した抱負とも程遠い。朴新市長は、進歩左派陣営の全幅的な支持を受けて当選したが、左右を分けたり、自身を支持しなかった勢力を排斥することで、再び社会を分裂させるようなことがあってはならない。その点で、盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領を反面教師にしても良いだろう。