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暗雲消え去る韓国経済、外部ショックへのもろさくっきり

暗雲消え去る韓国経済、外部ショックへのもろさくっきり

Posted October. 26, 2011 07:23,   

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欧州財政危機の影響で国内金融市場に立ち込めていた暗雲が早い速度で消え去ろうとしている。今月初めに1ドル1200ウォンを割り込み過度なウォン安への懸念が強まっていた対ドルのウォン相場が25日、1ドル1129ウォンまで持ち直したほか、1652ポイント(9月26日)まで下落した総合株価指数(コスピ)は同日、取引時間中に一時1900ポイントを突破した。

数日前まで「第2の金融危機」への懸念が強まっていたのだが、ユーロ圏危機が沈静化するだろうという観測が強まるなど、状況が一変した。ウォン相場をはじめ株価や信用不渡りスワップ(CDS)プレミアムなど、韓国の各種金融指標が危機以前の水準を回復しているのだ。

経済専門家たちは、「外部の悪材料にとりわけ敏感に反応する韓国経済の体質がさらけ出された時期だった」と評価しながらも、危機が沈静化しつつあるかについては、慎重な見方を示した。欧州財政危機の緩和にも関わらず、消費と投資指標の悪化で中国や韓国など新興市場の実体経済が少しずつ落ち込んでいるからだ。実際、各種金融指標が正常を回復しつつあるが、輸出や経済成長率などの実物指標は下落基調から抜け出せずにいる。

●イタリアより激しい変動幅

今月4日、2.29%まで暴騰した韓国のCDSプレミアムは24日、ニューヨーク終値基準で1.49%と20日ぶりに0.8ポイントが下がった。先月4日、韓国CDSプレミアムは1.4%と、2ヵ月も経たないうちに原状回復した。CDSプレミアムが低くなったことは、それだけ国家信用度が高くなり国外での債券発行で少ない利子で済むことを意味する。

財政危機の当事者である欧州も、△フランス1.87%(9月5日)→1.90%(10月24日)、△スペイン4.19%→3.76%、△イタリア4.55%→4.49%と安定を取り戻しつつある。ところが指数の変動幅は、韓国の方が大きかった。韓国のCDSプレミアムの変動幅が0.8ポイントと乱高下している間、フランスは0.14ポイント、スペインは0.43ポイント、イタリアさえも0.77ポイントの変動幅に止まった。

為替相場も危機以前の水準をほぼ回復しつつある。今月に入って、対ドルのウォン相場は1ドル1194ウォン(4日)から1129ウォン(25日)へと5.76%も上昇した。ウォン安の時も、ウォン高のときも急激に値動きを見せ、変動幅が大きかったことが分かる。超円高に苦しんでいる日本円は、同期間の上昇率が0.72%に止まった。ウォンは7〜9月に対ドルで12.1%も下落している。08年の金融危機のときに見られた激しい変動性が、今回の欧州財政危機でも再現された。

韓国銀行の関係者は「韓国の為替市場の開放度が高く、相対的に偏る減少も深刻な方だ」とし、「中国などアジアの国々に投資した外国人たちがウォン−ドル域外先物為替(NDF)市場を使って為替ヘッジ取引をしている韓日通貨スワップ締結、韓米通過スワップを巡る議論なども提供要因も多い」と話した。

●続く回復基調、カギは変動幅

対外的影響要因だけをみると、状況は1ヵ月前より見違えるほど好転した。26日に開かれた欧州連合(EU)首脳会議で、ユーロ圏の財政危機を解決するだろうという市場の期待が高まっている。民間の債権団が保有しているギリシャ国債の負債棒引き率(ヘアーカット比率)を21%から60%まで引き上げる方向で事実上固まっており、△欧州財政安定基金(EFSF)1兆ユーロ以上の拡大案、△域内銀行の資本の拡充案でも具体的な方策が示されるものと見られている。

米国と中国の状況も次第に好転しつつある。27日に発表される米国の第3四半期国内総生産(GDP)は、前期比2.5%の成長(年率)が予想されている。中国の10月の製造業購買管理指数(PMI)が50を超え、経済の硬着陸への懸念は薄まりつつある。

企画財政部と韓国銀行は同日のマクロ政策協議会で、中国の経済について「家計所得の増加、政府の消費振作策などで内需の成長基調が持続する見通しだ」とし、「成長基調が鈍化しても軟着陸する可能性が高い」との見方を示した。欧州で新たな悪材料が現れない限り、株価暴落や為替相場の暴落といった、9月に見られた2次世界金融危機への懸念が再現される可能性は低いことを示したものだ。

だが、結局カギは、対外影響要因に振り回される韓国経済の体質を改善することにあると指摘する声がある。ウォン安かウォン高かとは別に、激しい揺れ動くこと自体、貿易競争力にはプラスにならない。LG経済研究院のユ・スンギョン研究委員は「ユーロ圏の危機解消過程は、長期的なことになるだろう。安定した為替市場政策や経常収支の拡大に向けた取り組み、国際協調などを通じて外部からのショックに耐えられる力を強化しなければならない」と話した。



january@donga.com