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北朝鮮ミサイル防衛、20年まで丸腰状態 導入決定のPAC2は独製中古

北朝鮮ミサイル防衛、20年まで丸腰状態 導入決定のPAC2は独製中古

Posted October. 03, 2011 03:38,   

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盧大來(ノ・デレ)防衛事業庁長は最近、国会国防委員会国政監査で、「今後10年間、北朝鮮の弾道ミサイルに実質的に無防備状態ではないのか」という野党民主党の辛鶴用(シン・ハクヨン)議員の指摘に「そうだ」と認めた。このため、対北朝鮮防空網がなぜこのような状態に至ったのか、批判が高まっている。

国防部は、防空網の拡充に向け、来年、航空機迎撃用として開発された中距離地対空ミサイル(鉄鷹2)を弾道弾迎撃用に性能を改良する予算を編成し、13年から高高度弾道弾迎撃用長距離ミサイル(L−SAM)を開発する計画だと明らかにした。

しかし、多くの専門家は、このような事業が計画された予算で適時に終えることができるのか、確約できないと指摘する。迎撃ミサイルのような精密誘導兵器を開発するには、短くて5年、長くて10年かかることが多いためだ。

軍関係者は2日、「今の状態では、20年まで韓国の防空網は北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に露出されざるを得ない」とし、「15年末の戦時作戦統制権返還後も、相当期間、自国の領空を守ることはできないあきれた状況が起こることになる」と強調した。

このような事態になったことについて、軍内外からは、10年近く遅々として進まない次期誘導兵器(SAM−X)事業の歴史を見れば、十分に予想された状況だという指摘が出ている。実際、00年代初めから本格的に推進されたSAM−X事業は開始からふらついた。

国防部は03年、導入から40年が経過した古いナイキ・ミサイルに代わるSAM−X事業を再推進することを決めた。導入機種は、航空機だけでなく弾道ミサイル迎撃能力を備えた新型パトリオット(PAC3)ミサイルが検討された。

しかし、一部の政治家と市民団体は、PAC3ミサイルを導入すれば、米国のミサイル防衛(MD)体制に編入されるとして強く反発した。国防部は「米国のMDと関係なく、いかなる形態であれ、自主的なミサイル防衛能力を確保しなければならない」と説明したが、MD参加の論議は消えていない。

予算問題も障害だ。当時、PAC3の導入予算が2兆5000億ウォン以上で提示されると、政界と軍の一部では、北朝鮮の空中脅威が直ちにない状況で、「過度な戦力投資」という意見が出された。

その後、SAM−X事業は、別の兵器事業に押されて保留になり、軍当局は07年、PAC3ミサイルの代わりに1兆ウォンを投じて中古のパトリオット(PAC2)ミサイルをドイツから導入することに決めた。当時、軍と防衛事業庁は、「PAC2は、韓国が必要とする対空防衛能力の強化に最も適切な最先端兵器だ」と明らかにした。

しかし、軍内外では反論が少なくなかった。PAC3は、敵の弾道ミサイルに撃墜して破壊する(hit to kill)方式だが、PAC2は、敵のミサイルの付近で破片を爆発させて迎撃する方式で、技術的に顕著な違いがある。それだけPAC2の命中率も落ちる。

さらに、軍当局が導入を決めたPAC2ミサイルは、90年のドイツ統一の前に、西ドイツ空軍が使用した中古品で生産され、15年が過ぎて信頼性が落ちており、今後、部品の調達にも支障を来たすという憂慮も出ている。空軍も、05年の内部報告書で、PAC2ミサイルが北朝鮮のスカッド・ミサイルなどに対処するには性能が不十分で、導入後もPAC3への性能改良が必要だと指摘した。

その後、軍当局は、中古PAC2ミサイル2個大隊(8砲台)を08年から導入・配備したが、北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に特段の効果がないという評価を受けている。最近、国政監査では、軍が運用するPAC2ミサイル8砲台のうち3砲台の追跡レーダーが故障しても部品を得ることができず、6ヵ月間稼動が停止した事実が明らかになった。

このような状態では、北朝鮮が数年内に核弾頭の小型化に成功し、スカッドやノドンミサイルに核兵器を発射する場合、韓国軍には効果的な対策がないことになる。一方、韓米軍は03年、PAC2をPAC3にすべて交換し、米軍基地や主要施設に配備した。

合同参謀本部当局者は、「多くの予算を投じても、北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に十分に対処できない防空網を招来したSAM−X事業の教訓を、今からでも十分に考えなければならない」と述べた。



ysh1005@donga.com