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[オピニオン]赤色の政治心理学

Posted September. 30, 2011 03:00,   

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赤色は強烈だ。人々は、赤色を見れば興奮し、脈拍は速くなる。ある研究チームが、7歳の子供らを、赤色に塗られた部屋と青色の部屋にそれぞれ入れて、脈拍を測ったところ、赤色の部屋にいれられた子供らの脈拍数のほうが、1分当たり20回ほど多かった。スペインの闘牛士が赤いマントを振るのも、牛ではなく、観衆を興奮させるための行動だ。トップや神聖さ、愛国心を象徴する赤色は、世界各国の国旗にもよく使われる色だ。

◆神聖ローマ帝国のカール大帝は、自分の宮殿や王座が設けられている聖堂を、赤色に塗った。皇帝の権力が法王より高いことを誇示するための目的だった。赤色はいかなる色よりも目立つ。朝鮮時代の王がまとう袞龍袍(コンヨングポ=王の正服)と翼善冠(イクソングァン=王が政務を見るときにかぶったもので、頭上に2つの角があるのが特徴)も赤色だった。赤色は、権力や力を意味する。東洋圏では、赤色を富貴を招く色と信じる傾向があった。与党ハンナラ党の洪準杓(ホン・ジュンピョ)代表が、好んで締める赤色のネクタイにも、このような信念が盛り込まれているのだろう。

◆ソウル市長補欠選挙への立候補を宣言したハンナラ党の羅卿瑗(ナ・ギョンウォン)候補と民主党の朴映宣(バク・ヨンソン)候補が28日、約束でもしたかのように、黒いズボンに赤色のジャケットを羽織った姿で登場した。羅候補はこれまで、ハンナラ党のシンボル色だった青色を好んで着た。今回のソウル市長選挙への立候補とともに、服のスタイルを変えたようだ。米紙ワシントンポストで、ファッションエディターを務めたロビン・ギブハンは、「女性政治家の装いは、政治的な声明発表に当たる」と主張した。両候補の赤色ジャケットは、権力への意志と共に、「一所懸命に働く」という誓いや情熱を表現したものと受け止めてもいいだろう。ファッションの専門家らは、やや固い感じの羅議員のジャケットよりは、堂々としながらも柔らかい感じの朴議員のジャケットの方に、より高い点数をつけた。

◆赤色にプラスのイメージのみあるわけではない。血は赤く、赤色は死や不安、タブーを連想させる。イデオロギー的には共産主義を象徴し、「パルゲンイ(赤)」は打倒の対象だった。赤色衣装は、負担を感じさせる一面がある。テレビの女性キャスターらは、祝日や特別に祝うべき日でなければ、赤色のジャケットは羽織らない。赤色が視聴者の集中力を下げるからだ。両候補はファッションやイメージを巡る競争もさることながら、政策やコンテンツを持って勝負してこそ、最後に笑うことができるだろう。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com