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放射能都市から再生可能エネルギーの実験場に

放射能都市から再生可能エネルギーの実験場に

Posted September. 23, 2011 03:19,   

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史上最悪の原子力発電所(原発)事故と大量の放射性物質の流出、製造業の崩壊と故郷を追われた人々…。東日本大地震後、日本の第1の嫌悪都市に転落した福島には何の希望もないようにみえた。しかし、事故から6ヵ月が経過して、福島に再起の芽が生まれつつある。福島県は、再生可能エネルギー産業を育成し、原発被害地というイメージを払拭するために、世界的な環境企業の誘致に積極的に乗り出している。エネルギー企業も、福島を新たな未来産業の実験場として注目している。

●原発被害地をエネルギー産業のメッカに

原発事故で最も大きな被害を受けた地域の一つである福島県の相馬市に、最近喜ばしい客がやってきた。米国の電気自動車ベンチャー、テスラモーターズのイーロン・マスク会長兼CEO(最高経営責任者)だ。熱烈な太陽エネルギーの伝導師であるマスク会長は、この都市に20キロワット級の太陽光発電システムを寄贈した。マスク会長は、「原発事故が太陽エネルギーの重要性を自覚する契機になった」とし、福島の再生可能エネルギー産業の投資に意欲を示した。最近、「再生可能エネルギープロジェクト」を推進しているソフトバンクの孫正義社長も、福島を重要な拠点として注目している。

福島市の小学校に20キロワット級の太陽光発電システム2基を無償提供するために、地方自治体と協議しているハンファ・グループ日本法人の金ジョンソ法人長は、「福島は、再生可能エネルギーを未来の産業にしようとする意志がかたく、世界的な企業が各種エネルギー産業を実験的に実施する『テストベッド』として浮上している」と説明した。

復活を夢見る福島のビジョンは、再生可能エネルギーだけではない。福島は、県内の土地のかなりの部分が放射能に汚染され、長期間農作業ができなくなることを予想し、「植物工場」プロジェクトを推進することを決めた。外部から閉鎖されたクリーンな空間で、無公害の野菜を大量に栽培するということだ。日本では最近、無公害野菜に対する関心が高まり、植物工場が新産業として脚光を浴びている。土壌汚染を先端農法で克服し、禍を福に転じる契機にするということだ。植物工場に必要なエネルギーも、水力と地熱発電で100%自給する計画だ。

●逆転の発想で危機を克服

福島県は、大地震と原発事故が起こるまでは、東北地方を代表する産業都市だった。東北地方6県の全体製造業の出荷額で占める割合は、32%に達していた。しかし、大半の製造業者が原発から半径30キロ以内にあり、原発事故の直撃弾を受けた。202万人だった人口は160万人まで減少した。

福島は、若者の流出による高齢化問題を積極的な老人福祉サービス産業で克服するという計画も立てた。県内でも、高齢者施設が多い西郷村に先進福祉施設と老人福祉サービスを特化した職業学校を設立し、中国人就業者や留学生を積極的に誘致する考えだ。老人福祉サービスで蓄積した介護のノウハウと地域の温泉を結びつける医療観光産業を育成する計画もある。

原発で崩壊した福島から、様々な逆転の発想も出ている。放射性汚染物質の除染、原子炉の解体、放射能汚染がれきの処理など、これまで存在しなかった市場を新たな事業として開拓していくということだ。チェルノブイリ原発事故後、ロシアに放射能測定機器などの放射能関連産業が急成長したように、事故の遺産をカネになる産業にするということだ。日本国内の原発専門家らは、福島原発事故による放射性物質の除染だけで市場規模が1兆円にのぼると見ている。



changkim@donga.com