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南−北−露ガスパイプライン、膠着した南北関係改善につながるか

南−北−露ガスパイプライン、膠着した南北関係改善につながるか

Posted September. 03, 2011 07:42,   

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韓国と北朝鮮、ロシアを結ぶガスパイプライン・プロジェクト構想が、韓半島情勢に大きな変数として浮上している。最近、朝露首脳会談で同問題が主要テーマとして扱われたのに続き、韓国も11月にロシアと首脳会談を行い、協議する予定だ。一部では、ガスパイプライン事業を媒介に、南北首脳会談と南—北—露3国首脳会談の可能性を取り上げる声も出ている。

ハンナラ党の洪準杓(ホン・ジュンピョ)代表は2日、「大統領は、南北関係の改善に向けて多くの努力をしている」と述べ、ガスパイプライン事業を取り上げた。そして、「ワグ・ザ・ドッグ(wag the dog=尻尾が犬を振る)」という表現を使い、「ガスパイプライン事業という『尾』によって、北朝鮮核問題と哨戒艦『天安(チョンアン)』、延坪島(ヨンピョンド)という『頭』の問題を解決することができる」と述べた。朴槿恵(パク・グンヘ)元ハンナラ党代表も1日、「ガスパイプラインは一度建設すれば、簡単に断つことができるものではない。韓半島の平和に役立つだろう」と強調した。

●速度がつく実務議論

朝露、韓露両国間のガスパイプライン連結協議は、すでに進展を見せている。北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が、先月24日にロシアのメドベージェフ大統領と首脳会談を終え、帰国途中の26日には、平壌(ピョンヤン)でロシア地域開発省のヴィクトル・バサルギン長官と北朝鮮の李龍男(イ・ヨンナム)貿易相が、経済協力委員会を機に会談した。

バサルギン長官は、来月、韓露経済科学技術共同委員会のために韓国を訪れ、朴宰完(パク・ジェワン)企画財政部長官ら韓国当局者に会って、ガスパイプライン連結問題を話し合う。これに先立ち、韓国ガス公社とロシアのカズプロムが、朝露間の協議結果をもとに、実務的な協議をするという。

政府当局者は、「朝露、韓露の連鎖協議に続き、南—北—露実務協議が実現すれば、ガスパイプライン連結事業に対する原則的な合意を盛り込んだ合意覚書(memorandum)が発表される可能性がある」と述べた。

韓国とロシアは11月、インドネシア・バリで開かれる東アジア首脳会議(EAS)やフランス・パリで開催される主要20ヵ国(G20)首脳会議などの国際会議で首脳会談を予定している。ここで両国首脳は、これまでの実務協議をもとに、ガスパイプライン事業を話し合う予定だ。

●ガスパイプライン事業に欲を出すロシア

ロシアは、このプロジェクトに非常に積極的だ。東部シベリアの経済復興と欧州に偏重したガス輸出の多角化に向け、「サハリン3」のような大型ガス田を開発してきたロシアにとって、韓国は逃すことのできない市場だからだ。特に、船舶でなくガスパイプラインでガスを供給すれば、東部シベリアの小規模ガス田まで連結させて輸出することができる。

輸出コストを節減できるという点も、ロシアにとって魅力的だ。韓国と日本、東南アジアに液化天然ガス(LNG)で輸出してきものを、パイプラインに変えれば、ガス液化作業にかかるコストを大幅に削減することができる。

さらに、ロシアは、このプロジェクトを通じてこれまで縮小していた北東アジアでの影響力を拡大する効果をあげることもできる。一部では、ロシアがこれを前面に押し出し、南北首脳会談を仲介してロシアも参加する3国首脳会談も提案するという観測も流れている。

プーチン首相は大統領時代の02年、シベリアで南北首脳会談の開催を仲介し、シベリア横断鉄道(TSR)と韓半島縦断鉄道(TKR)を連結するいわゆる「鉄のシルクロード」プロジェクトを協議するために3国首脳会談も可能だと提案したことがある。

プーチン大統領(当時)は、04年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領との首脳会談の前にも、南北首脳会談仲介の意思を明らかにした。プーチン大統領は、ブッシュ大統領に手紙を送り、3国連結ガスパイプライン事業の協力を求めた。

●3国ガスパイプライン連結の複雑な算法

政府当局者は、ガスパイプライン事業が南北関係の進展のきっかけになるという展望に慎重な態度だ。ある当局者は、「大変長期的な観点で見なければならないプロジェクトだ」とし、「3国が共に議論を始めても、実際に着手するまでに数年かかるだろう」と強調した。

別の当局者は、「軽水炉建設の過程で、北朝鮮リスクがあまりにも大きい」とし、「中間で断たれることが問題ではなく、事業議論の過程ですでに多くの問題点が出てくるだろう」と述べた。軽水炉建設の過程で、北朝鮮が些細な理由で工事の人員を抑留するなど、工事ができなくなった前例が多いということだ。また、別の当局者も、「TSRーTKR連結すら進まない状況なのに、可能なのか」と述べ、政界の楽観的な展望を警戒した。

政府は、北朝鮮内のガスパイプライン連結は、基本的に輸出当事者のロシアが北朝鮮と協議する問題だという考えだ。このため、北朝鮮リスクを最小化する負担もロシアが負う方向で事業を推進する方針だ。ある関係者は、「ガスが最終需要者に到達することを確認した後に北朝鮮に手数料を支給するなど、様々な安全装置が可能だ」と説明した。

●羅津から休戦ラインまで740キロ

政府関係者によると、南ー北ー露3国を結ぶガスパイプラインの長さは約2400キロで、このうち北朝鮮区間は、最短距離で、羅津(ナジン)〜元山(ウォンサン)〜休戦ラインまでの約740キロにのぼる。年間100億立法メートルの天然ガス(PNG)を輸送するガスパイプラインの直径の大きさは、約1.7メートルになるもようだ。

ガスパイプラインの工事に必要な期間はおよそ2年、コストは約4兆ウォンと推算される。しかし、北朝鮮が路線変更を求める場合、長さやコスト、事業期間などがゴムひものように増える恐れがある。加圧設備や送電施設も一定間隔で設置しなければならず、点検人員が往来する道路なども、ガスパイプライン周辺につくらなければならないので、コストはさらに増える恐れがあると、専門家らは説明する。

エネルギー経済研究院の李ソンギュ博士は、「技術的な分析のほかに、事業形態がどうなるかによっても、大きく変わる可能性がある」とし、「ロシアのカズプロムが主事業者になり、ここに韓国などが出資して共同で参加する方式を考えることも可能だ」という見方を示した。



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