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[社説]郭魯鍱事件、検察は捜査で語る能力があるのか

[社説]郭魯鍱事件、検察は捜査で語る能力があるのか

Posted September. 02, 2011 07:05,   

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この頃の検察は、捜査力が弱まって「獲った魚もみすみす逃している」と言われている。釜山(プサン)貯蓄銀行の捜査は、利用客の預金の数兆ウォンが使われた事件であるにもかかわらず、背後に潜む政官界とのつながりを一つも解明できていない。市場からの整理・淘汰を防ぐためにロビー資金をばらまいた容疑を受けている朴テギュ容疑者が後に入国し、収監されたが、捜査が進展するかどうかは未知数だ。朴容疑者は、ロビー資金をもらったことはないと否認しているが、ロビイストの供述だけを頼りにする捜査は見ている方も気の毒になる。カネを受け取った人間が抜け道を作っておいたのだろう。せっかく最高検察庁中央捜査部が乗り出した捜査が今回も成果がなければ、検察の体面にも傷がつく。

国会は、中央捜査部をなくすと圧力をかけた。検察総長はこれまで、中央捜査部解体の圧力を意識して、ハンファ裏金捜査のように中央捜査部が担当すべき捜査も地検に割り振った。中央捜査部長の中には、1件の捜査もせず、開店休業で任期を終えた人も少なくない。中央捜査部の人員約60人はただ見守るだけで、地検が、組織も小さく経験の浅い状態で、手に余る捜査をするのであれば、西部地検のハンファ捜査のように失敗に終わるだろう。

選挙やデモ関連の犯罪を扱う公安部、権力層の不正・腐敗を扱う特捜部は、検察で最も重要な部署だが、政権交代によって何度も浮沈を経験した。公安通、特捜通とされる検事は数少なくなり、公安部と特捜部をキャリア管理用に1、2年経験する部署と考える検事が多い。

検察総長が任命されれば、同期が一斉に辞任する古い慣行も、検察幹部の平均年齢の低下と経験不足を招き、捜査力を弱体化させている。先日、52歳の韓相大(ハン・サンデ)検察総長が任命されたが、司法研修院同期の検事長5人全てが辞職した。検事長級が20年以上検察に勤めて積んだ捜査ノウハウを働き盛りの年齢で失うことは、捜査力の大きな損失だ。

捜査環境も以前とは異なる。裁判所が気難しくなり、拘束令状の交付も難しい。徹夜捜査もできない。公判中心主義で、法廷は簡単にはいかない。韓明淑(ハン・ミョンスク)元首相の裁判で見るように、検察でカネを渡したと供述した被疑者が、法廷ではいとも簡単に覆した。

裁判官は、「9人の罪人を逃しても、1人の罪なき罪人をつくってはならない」という信念を持つべきかも知れないが、検査は「罪人は地球の果てまで追われても、処罰しなければならない」という信条を貫くべきではないだろうか。他に必要な言葉はない。検察はひたすら捜査で語らなければならない。郭魯鍱(クァク・ノヒョン)事件も然りだ。