Go to contents

警察の無力さ、背景に済州道ならではの「クェンダン文化」

警察の無力さ、背景に済州道ならではの「クェンダン文化」

Posted August. 27, 2011 07:18,   

한국어

済州道西帰浦市(チェジュド・ソグィポシ)の江汀(カンジョン)村の済州海軍基地工事場衝突に関連し、警察が見せた「対応の無力さ」の内面には、済州島ならではの「クェンダン文化」が働いているという指摘が出ている。「グェンダン」は眷党を意味する済州道の方言で、親族や外戚、父方の親戚、母方の親戚など、親戚を総じて言う言葉だ。

グェンダン文化は島という特殊性を持つ済州社会を支える根幹でもある。グェンダンに嫌われると、済州道で暮らし難いほど。秋夕(チュソク=旧暦の8月15日)を控え、大々的に行われる伐草(ボルチョ、祖先のお墓の雑草を刈ること)に参加しなくてグェンダンに非難されると、「祖先も知らない悪者」と烙印を押されるほど、強い力を発揮する。

デモを鎮圧する済州出身警察も、グェンダンの枠から自由になれなかったというのが一般の見方だ。このため、海軍基地の工事現場で衝突があるたびに、警察が消極的になるしかなかったということ。衝突による人命被害を減らす意図もあったが、誰もが親戚・姻戚、血縁、学縁などに絡められていて、当初から強力に対応するのが難しいしかなかったということだ。海軍のある関係者は、「グェンダン文化のため、工事推進などに関する内部情報が海軍基地を反対する江汀村の住民や団体に流れていたかも知れない」と慎重に話した。

24日発生した江汀村の衝突現場でも、グェンダン文化はあちらこちらで確認された。デモを阻止する警察に向かって、名前を呼びながら、「○○ちゃん、阻止するなよ」などを叫ぶ声があちこちで聞こえた。名前を知っているほど親密な関係ということ。江汀村のある住民(47)は、「地域社会が狭いため、殆どがグェンダンであり、先輩・後輩である。顔見知りであるため、利点もあるが、衝突現場では困ってしまう」と話した。

同日、現場の指揮に取り組んだソン・ヤンファ西帰浦警察署長(現済州地方警察庁聴聞監査担当官)の故郷は、江汀村からわずか12キロほど離れた西帰浦市甫木洞(ボモクドン)だ。小中高校を西帰浦市で卒業した。しかし、ソン担当官本人は、デモ鎮圧にグェンダン文化が与えた影響に対して強く否定した。ソン担当官は、「済州が狭い地域社会というのは認めるが、グェンダンを意識する温情主義に流されると、警察の仕事をきちんと遂行できない。被害を最小化するため、最善を尽くしただけだ」と話した。



jy788@donga.com