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[オピニオン]独裁者ファミリーの私生活

[オピニオン]独裁者ファミリーの私生活

Posted August. 27, 2011 07:18,   

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1986年、フィリピンの独裁者マルコス大統領夫妻は、ピープルパワーに驚いて米ハワイに逃げ出した。国民がマラカニアン宮に入った時、大統領のイメルダ夫人の約3000足の靴が彼らを出迎えた。靴のコレクションについてのイメルダの答えは傑作だ。「靴を集めることは人間の本能だ」。後にマリキナ市に靴の博物館を開いた彼女は、「靴を履くたびに夫がまだ大統領だという感じがする」という意味深長な言葉を述べた。

◆1人あたりの国民所得が300ドルにすぎないアフリカの貧国ジンバブエを30年間強権統治するムガベ大統領のグレイス夫人は、香港や中国などに数億ドル相当の不動産を持っている。夫より45歳年下のグレイス夫人は、昨年、ジンバブエのギデオン・ゴノ中央銀行総裁との不倫が発覚し、スキャンダルになった。シンガポールで10万香港ドルのハンドバッグを買う姿が目撃されるなど、ショッピング狂だ。ルーマニアを鉄拳統治したチャウシェスクとともに1989年に銃殺されたエレナ夫人の部屋には、毛皮や宝石がいっぱいだった。

◆北アフリカの民主化の出発点になったジャスミン革命も、結局、独裁者一家の腐敗と貪欲から始まった。23年間執権したチュニジアのベンアリ大統領が逃亡した後、大統領官邸から約2キロの麻薬と2700万ドル(約290億ウォン)相当の現金が発見された。22歳年下の二番目の妻レイラは、美容師出身で贅沢な生活のうえ、不正腐敗にも介入し、夫を言いなりにした。父子世襲政権で、反政府デモ隊を虐殺するシリアのアサド大統領のアスマ夫人は、美貌と華やかなファッションで雑誌「ヴォーグ」にも載った。

◆トリポリにあるリビアのカダフィ大佐の娘アイシャの家から発見された人魚形の黄金のソファが話題を呼んでいる。青い海、白い建物、まぶしい日差しが調和をなすトリポリの異名が「地中海の人魚」だ。リビア反政府軍のトリポリ進入作戦のコードネームも「人魚の黎明」だった。人魚の顔の部分は、アイシャの顔をモデルにして作られたという。権力者の娘は、人魚の像のソファに座ってナルシズムに浸ったようだ。独裁者の娘はソファに座って幸せだったのだろうか。独裁者の末路を象徴する人魚のソファが博物館に所蔵される日も遠くなさそうだ。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com