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「ブレードランナー」のピストリウス、「ひとりの陸上選手として見てほしい」

「ブレードランナー」のピストリウス、「ひとりの陸上選手として見てほしい」

Posted August. 26, 2011 08:56,   

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「韓国ファンの多くの関心と声援に感謝しています。しかし、これからは障害者スプリンターではなく、人間ピストリウスを見守ってください」

ずっと話したかったことを打ち明けるように、声から力強さが感じられた。入国後、記者らと会う度に笑みを返していた彼だったので、さらに強い響きがあった。「義足スプリンター」オスカー・ピストリウス(南アフリカ共和国)が25日、大邱(テグ)世界陸上選手権大会選手村前のあるカフェで、一週間あまりの韓国暮らしへの感想を話してくれた。大邱入り後、マスコミとの初の単独インタビューだ。

ピストリウスは、障害者としては史上初めて世界陸上選手権大会A基準記録(45秒25)を通過して感動を与えた主人公。腓骨無しで生まれて両足を使えず、炭素繊維材質の競技用義肢を使用してレースをする。義肢の形が刃物に似ていることから、「ブレードランナー(Blade runner)」という愛称も得た。

ピストリウスはまず、韓国のファンに感謝の気持ちから伝えた。彼は、東亜(トンア)日報の読者に「全ての支援に感謝する」というメッセージを伝える一方、「最高権威を誇る大邱世界陸上選手権大会に出場できることだけでも光栄なのに、韓国ファンの熱い声援まで受けて幸せだ」と話した。

ピストリウスの明るい笑みや親切な態度は、韓国の記者の間でも話題になっている。障害を持って生きてきた人にしては、根から明るい様子だった。入国後、初のトラック練習をした24日には、予定になかったインタビューを自ら進んで要請したりもした。南ア共チームは、選手保護のため、インタビューを断ったが、ピストリウスは数多い取材陣を目にして、自ら記者の前に立った。入国場で公式のインタビューさえ断って、急いで宿舎へ向かう一部のスターらとは対比される姿だった。

同日もピストリウスは選手村前のあるカフェで、カフェ・ラッテを頼むなど、リラックスした様子だった。同席したチームマネジャーとは耳打ちをするなど、普通の20代青年のフレッシュな姿も見せてくれた。しかし、話が始まるや否や、心を決めていたように、「過度な関心がちょっとプレッシャーになったりもする。特に、私が障害を持っていることからくる関心ならお断りしたい。私は他の選手と競争する同じ人間だ」と話した。

ピストリウスは、入国後も持続的に提起される義肢の議論が気になっているようだった。彼は、「インターネットで私が義肢を変えて今季記録が良くなったという文章を読んだ。あまり気持ちが良くない。7年間一度も義肢を変えたことがない」と話した。

選手村での暮らしには満足を示した。ピストリウスは、「選手村の地下から食堂へ行けてとても便利だ。マンションの部屋も素敵だ。韓国文化を楽しめる空間もユニークでよかった」と話した。

ピストリウスはメイン種目の400メートルだけでなく、1600メートルのリレーにも出場する予定だ。彼は、「何番目の走者になろうが問題ない。私には光栄な思い出になりそうだ」と言って、期待を示した。彼の明るい笑みは28日午前11時15分、男子400メートルの予選競技で再び見られる。



noel@donga.com