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[オピニオン]カジノ賭博の中毒

Posted August. 26, 2011 08:56,   

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江原道鉄原郡(カンウォンド・チョルウォン)に住む金サムボは、1ヵ月間、自宅にいる日がほとんどないほどの天下の博打打だ。江原道や黃海道(ファンへド)、平安道(ピョンアンド)の境界を行き来しながら、博打で暮らしている彼は、10歳年下の目鼻立ちの整った女性と一緒に暮らしている。元夫との博打で奪い取ったといううわさが説得力を得ている。1925年に発表された羅稻香(ナ・ドヒャン)の短編小説「ポン」の物語だ。18世紀末、帝政ロシア時代、ペテルブルクを舞台にしたチャイコフスキーのオペラ、「スペードの女王」に出る伯爵夫人も、知る人ぞ知る賭博中毒者だ。彼女は、「人生は賭博」と語ったとか。

◆カジノ賭博中毒は、古今東西を問わず広く知られている。一生涯かけて、汗水たらして集めた財産を、一瞬にして使い果たし、破滅に至った人たちの物語は、周辺から難なく耳にすることができる。米国の有名カジノのある都市の中古車は、全国で最も安い。自動車まで質入し、賭博をした人たちが売りに出すものが溢れているからだ。数万ドルの授業料を一夜にして使い果たし、飲食店で皿洗いをしながら、授業料を工面しているという留学生の話もたびたび聞こえてくる。

◆監査院が一昨日にまとめた、江原ランドを巡る監査結果は衝撃的なものだ。江原旌善(チョンソン)の廃鉱地域に建設した江原ランドのカジノに、延べ13回以上出入りした計5万2317人中、1307人は生活が厳しく、国から生計住居給付などを受けている人だった。このうち578人は、基礎生活保障受給者に選ばれたあとも、少なくは13度から多くは1277度までカジノに出入りした。3年間で6億ウォンを無くし、江原ランドを転々している人もいた。これぐらいなら、不治の病にほかならない。なくした金が100万ウォン前後なら、簡単に足を洗うこともできるが、金額が膨らむほど、泥沼から抜け出すことが難しいというのが、賭博界の定説だ。

◆賭博や麻薬、アルコール中毒など、あらゆる中毒は衝動をコントロールできないことから始まっている。賭博をする時は、ドーパミンというホルモンが分泌されるが、中毒者は賭博をしなければ、このホルモンの分泌が減り、不安や手の震えなどの禁断現象まで現れると、精神科の医師らは語る。賭博は、周りの人たちに被害を与え、挙句の果てに、自分自身まで破壊し、社会復帰も難しくなる。賭博中毒は単なる悪い癖の問題ではなく、精神の病気だ。

ハ・テウォン論説委員 triplets@donga.com