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シンプン製薬、WHOの「マラリアの新薬開発」に成功

シンプン製薬、WHOの「マラリアの新薬開発」に成功

Posted August. 22, 2011 03:07,   

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「残る商売」ではなかった。世界有数の多国籍製薬会社が知らん顔をした。しかし、そっぽを向いても、現実まで忘れられるわけではなかった。

世界69億の人口の中で4割の27億人がマラリア発生地域で住む。マラリアは蚊によって伝播される病気で、高熱が主な症状。毎年3億〜5億人が感染し、そのうち85万〜100万人が命を失う。さらに残念なのは、死亡者の85%が5歳以下の子どもということ。

17日、食品医薬品安全庁はシンプン製薬が開発したマラリア治療剤の「ピラマクス」を16番目の国内新薬として認定した。とうとう10年をはるかに越したマラリア克服プロジェクトにピリオドが打たれた。新薬開発に主導的な役割を担ってきた同社のシン・チャンシク顧問の顔も明るくなった。

1999年、世界保健機関(WHO)は、従来のマラリア治療剤を複合して新薬を開発するプロジェクトを立てた。以前にもマラリア治療剤はいくつかあったが、耐性ができて薬が利かない状況だった。WHOは多国籍製薬会社に開発を打診した。しかし、マラリア治療剤は、患者はどの病気より多いが、抗がん剤のように開発すると「ドル箱」になる薬ではなかった。患者の殆どが、アフリカのような貧乏な国に集中されているためだ。

シンプン製薬がパートナーになりたいと自ら要請した。WHOとシンプン製薬が700億ウォンずつ投資する条件だった。シンプン製薬は生産設備と工場を建て、研究開発活動に投資した。国内12位の中堅製薬会社としては大きな冒険をしたわけだ。

当時、シン顧問は開発担当常務だった。約40人でチームを立ち上げた。新薬開発に欠かせない臨床試験が始まった。マラリアの主な発病地のセネガル、マリ、ガーナ、ブルキナファソなど、西部のアフリカ奥地を出回った。

移動だけでまる2日以上がかかった。韓国で出発して欧州まで11〜12時間、現地空港で3〜5時間待機、再び欧州からアフリカまで6〜7時間、空港から臨床試験の病院まで5〜11時間。4週間に1週ずつ出張があった。普段C型肝炎を患っていたため、疲れきっていた。母親が亡くなったという話もアフリカのセネガルで聞いた。非包装道路を走る車両が一番くつろげる場所だった。

6〜7年間、シン顧問は韓国を含めて、アフリカとアジアの19カ国、23の地域で約3700人の臨床患者を対象に試験を行った。その結果、99%以上の治療効果があることを確認した。快哉を叫んだ。シン顧問は、「うちの会社は様々な医薬品を合成するノウハウはもちろん、合成工場や研究所も持っているため、新薬を作れると確信していた」と話した。

しかし、その後4年は仕事がはかどらなかった。国際臨床試験はうまくいったが、国内で臨床許可患者を探すのが大変だった。新薬許可に国内患者の臨床データを義務付けている薬事法の規定のためだった。マラリア患者はアフリカや東南アジアなど、貧乏な国に多く、国内にはなかなかなかった。国内マラリア患者30人あまりを集めるのにちょうど4年がかかった。

シンプン製薬はこれから年間2億7000万人分の「ピラマクス」を販売できると見ている。そうなると、今後5年内に世界マラリア治療剤市場の3割を占めるようになる。シン顧問の言葉だ。

「従来のマラリア治療剤は飲み方も複雑で、少なくても1週間から15日は服用しなければなりません。反面、ピラマクスは1日に1度ずつ3日さえ飲めば治る新薬です。お金ですか。それよりは早く可哀想な人々を助けなければならないという思いの方が強いです」



likeday@donga.com