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ショートトラックの安賢洙、韓国籍を捨てロシアへ帰化

ショートトラックの安賢洙、韓国籍を捨てロシアへ帰化

Posted August. 18, 2011 03:24,   

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「太極(テグク)マークをつけて14年ソチ冬季五輪表彰台の最も高いところに立ちたいです」

2月、冬季全国体育大会に出場した「ショートトラックの皇帝」安賢洙(アン・ヒョンス、26)は明るい笑顔を見せた。彼には夢があった。再び代表に選ばれ、五輪の金メダルを取ることだ。しかし今、その夢は変わった。五輪の表彰台の最も高いところに立てるという自信はそのままだ。ただ、彼の胸に太極マークはついていない。

●折れた翼を付け替える

安賢洙は17日、自分のサイワールド・ミニホームページを通じて、ロシアへの帰化を明らかにした。前日、ロシアスケート連盟が安賢洙を14年ソチ冬季五輪で、ロシアの国家代表として出場できるよう、ロシア政府に市民権を要請したと発表した翌日のことだ。

安賢洙は、「ロシア代表と共にイタリアで合宿トレーニングをしていたため、今になって話を聞き、書き込みをすることになった。記事を通じて今回のことをファンに知らせるようになってしまい申し訳ない」と話した。安賢洙は当初、ロシアと韓国の国籍を同時に持てると思いロシア代表チームに入る決心を固めたという。しかし、韓国で二重国籍は取得不可能だ。

国籍法第15条は、「大韓民国の国民で自発的に外国籍を取得した者は、その外国国籍を取得した瞬間、大韓民国の国籍を喪失する」と規定している。二重国籍が認められる場合は、自発的に外国籍を取得していない場合に限られる。

安賢洙は、「最初はこのような細かい部分までは調べきれず、二重国籍が可能だと思っていた。このような部分に十分気を使えず、慎重に考えて判断できなかったことを反省している」と付け加えた。ロシア国籍取得の決心をすることになった動機についても触れており、「より良い環境でリラックスした気持ちで集中できたため、このような決定をすることになった」と話した。

●9月にロシア代表選考戦に出場

安賢洙は9月16日から開かれるロシア代表選考戦に出場する計画だ。安賢洙の父親のアン・ギウォン氏は、「選考戦に出る前に、ロシア国籍を取得すると聞いた。無難に選考戦で選ばれ、ロシア代表になれそうだ」と話した。安賢洙は国籍を取得して1年経ってから国際大会に出場できるため、12〜13シーズンからロシア代表として活動できる見通しだ。

実際、安賢洙はロシアへ出国した当時も帰化は考慮していなかった。ロシア行きを初めて明らかにした4月、アン・ギウォン氏は、「とりあえずはロシア舞台を経験するという意味で下した決定だ。帰化までは考えていない」と話した。しかし安賢洙が考えを変え、ロシア国籍取得を望んだのは、五輪出場のためだ。安賢洙は4月、国家代表選考戦で脱落した。韓国で代表に選ばれるためにはまた1年待たなければならない。ここにロシアスケート連盟の手厚い待遇も彼の心を動かした。

アン・ギウォン氏は、「ロシアで専門の担当医やコーチなどを配置してくれ、息子を手厚くもてなしてくれた。運動にのみ専念できるようにしてくれ、息子がとても気に入っていた」と語った。昨年、所属チームの城南(ソンナム)市庁が無くなってから、まともに練習に専念できなかった彼には他の選択の余地がなかったわけだ。

●韓国スケート界、派閥暴露で厄介者扱い

アン・ギウォン氏は同日、「息子は韓国に帰る考えがない」と語った。いったい、何が起ったのだろうが。

安賢洙の名の前にはいつも「ショートトラックの皇帝」という修飾語がつけられていた。06年トリノ五輪3冠、そして世界選手権大会3連覇など、彼の右に出る者がいなかった。これと共に「闘士」という修飾語もつけられた。06年にはショートトラック界の根強い派閥問題を暴露した。これまでショートトラックでは韓国体育大学派と非韓国体育大学派の対立が厳しかった。

暴露事件以降、安賢洙は韓国スケート界の厄介者になった。08年から変更された代表選考戦の開催日程は、「安賢洙殺し」という言葉が出た。05年から4月と9月の年に2回開かれていた選考戦が、08年1月に安賢洙が負傷するや否や4月だけの1回開催に変更された。ファンは、「負傷した安賢洙を出場できなくするための陰謀」と主張した。10年、選考戦が9月に変わったことに対しても、安賢洙は「4月に合わせて練習してきたのに、5ヵ月も先送りにされ体調のコントロールが難しかった。基礎軍事訓練も受けなければならないのに、困った」と語り疑惑を提起した。昨年話題となった特定の選手を推す慣行もアン・ギウォン氏の暴露から触発された。

安賢洙はこの闘士のような行動に対して、「後悔はない。ショートトラック全体へのイメージは悪くなったかも知れないが、後輩のためにも私がしたことは間違っていないと考える」と話した。アン・ギウォン氏は、「父親として息子が国籍を捨てたのは心が痛む。しかし、韓国で息子が運動に専念するのはこれ以上は無理だ。スポーツ選手として成功できるよう応援してほしい」と語った。



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