Go to contents

[オピニオン]ソウル保証保険の元金帳消し

[オピニオン]ソウル保証保険の元金帳消し

Posted July. 23, 2011 07:03,   

한국어

金大中(キム・デジュン)元大統領が野党のリーダーだった時代、そして大統領選候補として一貫して唱えていた「農漁民負債の帳消し」は代表的なウソ公約の一つに挙げられる。実際はできないのに、国民には「政府の負債は負債ではない」という間違った認識を与えた。02年の大統領選で、世間では「李会昌(イ・フェチャン)氏が信用不良者の負債の帳消しを約束さえすれば当選されるだろう」という冗談交じりの情勢分析が出回っていた。朴鎰忠(パク・イルチュン)元建国(コングク)大学教授はエッセー集「アバウトなケダン先生」の中で「(信用不良者たちは)気難しいイメージの李会昌氏は帳消しという名の『焦げ付き』のようなことで、自分たちを救済してくれそうになかったため、彼には票を入れなかっただろう」と書いた。

◆ソウル保証保険の金炳基(キム・ビョンギ)新社長が一昨日、総貸出者の22%を占める庶民の債務者19万人あまりの利息を帳消しにして、負債を減免すると発表した。学資金の融資、身元保証保険の債務者、10年以上の長期債務者のうち、乗用車を割賦払いで購入した債務者のように生計型の庶民債務者が対象になる。彼らの元利金約9000億ウォンから30%に当たる3000億を免除することになる。負債の減免で、庶民債務者たちが正常な信用経済活動を営むことができるのなら、喜んで歓迎できる。

◆しかし10年以上も負債を返済できていない債務者が、元金の7割に減ったところで返済できる能力があるかは疑問だ。彼らが、次の帳消しを待って負債を返す努力をしなくなるモラルハザードが強まる可能性もある。少しずつでも、懸命に返している債務者だけがバカになるようでは困る。減免対象者の半数が、複数の金融機関に負債を抱えているため、負債の一部が減ったからと言って信用管理対象者(信用不良者)から抜け出すのは難しい。金社長が「減免対象は事実上回収が困難な債権」と言ったのを見ると、債務者側に実質的な効果は殆どなく、金社長の顔を立てて終わる可能性もある。

◆ソウル保証保険は、通貨危機のとき預金保険公社(預保)と韓国資産管理公社(カムコ)を通じて12兆ウォンの公的資金をもらって、使い残した負債が8兆1700ウォンの上る。毎年3000億ウォンを返している立場にいながら、預保や監督当局とも十分に相談せずに巨額の債務を帳消しにした度胸には驚いた。旧財務部出身の金社長が、ここ数年間虎視眈々と狙っていた金融界に進入できたことを記念して「庶民重視」の空気に取りすがって太っ腹を見せ付けようとしたという解釈もある。太っ腹なところを見せたかったのなら、庶民金融が足並みを揃えることで効果を高めたり、既存の個人回生制度を活性化させる対策も並行して動員するべきだった。金融マンたちも政治家の真似をし始めたようだ。

洪権熹(ホン・グォンヒ)論説委員 konihong@donga.com