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FTA批准、米より韓国のほうが問題?

Posted July. 19, 2011 07:30,   

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「運命の8月」。韓米自由貿易協定(FTA)を巡り、韓米共に内部での縄張り争いが決着に向かっている。上辺では、連邦政府の債務調整案を巡り、ホワイトハウスと議会とが対立している米国の方が状況が悪いように映るが、韓国側の関係者らは、「米国より韓国の国会の方がさらに問題だ」と口をそろえている。

米議会は、休会に入る8月6日前に、韓国は8月の臨時国会の際に、なんとしてでも結論を出さなければならない。米国は議会での二党同士の極端な対立の中からも、解決策を探るだろうという見方が支配的だが、韓国は韓米FTAの批准を巡り、政界の「物理的衝突」が再現される可能性を排除できない。

●希望の見える米

厳密に言えば、米議会での韓米FTA批准は、棚上げとなっているのが現状だ。財政赤字の削減を巡り、ホワイトハウスと共和党とが感情的に対立しており、デフォルト(債務不履行)が現実のものとなることへの懸念が大きい中、FTAを議論する余裕などないからだ。

しかし、韓国政府の関係者らは、「米国は問題にならない」と自信を示している。デフォルトという最悪の局面に突っ走ることは皆が望んでいないだけに、議会が破局に向かうということは難しいだろうし、与野党が韓米FTA処理そのものへの見解の差は大きくなく、債務調整さえ解決されれば、滞りなく解決され得るという。

通商交渉本部の高官は18日、東亜(トンア)日報の記者と会い、「何もしないことが問題であり、顔色を変えながら戦うということは、物事がうまく進んでいる証拠だ」と語った。韓米FTA模擬築造審議が終わり、ホワイトハウスが履行法案をまもなく提出しようとしているだけに、処理は時間の問題であるという見方が支配的だ。

もちろん、FTAをどのように処理するかという問題に関連し、与野党間に意見の隔たりはある。ホワイトハウスと民主党は、失業者救済支援策「貿易調整支援(TAA)」の延長案を、韓米FTAと一まとめで処理すべきだと主張している一方、下院多数党である共和党は、FTAとTAAとを分けて処理すべきだと主張している。政府関係者は、「政府は米議会が休会に入る前に、韓米FTA履行法案を処理するという前提の下、批准手続を準備している」とし、「今は、米国だけに目を向けているが、一週間内に韓国側も有意義な準備作業を仕上げられるだろう」と明らかにした。

●一寸先の見えない韓国

さて、問題は我々のほうだ。米国は極端な対立の中にも、何とかして解決策をまとめるだろうという見方が大半を占めているが、韓国は8月の臨時国会で与野党同士の物理的衝突も避けられないのが現状だ。与党ハンナラ党や政府は、8月の国会で処理するという方針だが、民主党などの野党は、「再度の交渉が必要だ」と譲らない構えだ。

通商交渉本部の関係者は、「FTAだけを見れば、デフォルトという切羽詰った状況にある米国より、韓国の方が危機的状況だ」と語り、「与野党間で合意がなされなかった場合、起こりかねない物理的衝突が最大の問題だ」と口にした。氏はまた、野党で主張している謂わば「12項目の毒素条項」についても、「再交渉の際、自動車関連の一部を譲歩したものの、国会や国民に対し、十分説明のできる部分だ」と認めていない。

専門家らは、韓米FTAを巡る対立は、米国に比べ、過度に消耗的だと指摘している。TAAや財政削減案などと立体的に連携し、名分や実利を求める米国に比べ、我が政府与党は、批准案の押し付けに追われ、野党圏は、「再度の交渉」だけに拘っているという。梨花(イファ)女子大学・法学専門大学院の崔源穆(チェ・ウォンモク)教授は、「平行線だけを辿った立場の対立が続く場合、FTAで獲得できる国の利益は漂流することになる」とし、「与党が批准案をリードし、野党が先に交渉カードを切り出す戦略が必要だ」と語った。



january@donga.com