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「高いほど売れる」ブランド品の売上高、前年同期比67.5%増

「高いほど売れる」ブランド品の売上高、前年同期比67.5%増

Posted July. 14, 2011 07:17,   

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●高いほどよく売れる

シャネルは今年5月、商品価格を平均25%引き上げ、欧州ブランド品の値上げに火をつけた。シャネルは値上げする1ヵ月前から売場などを訪れる消費者に値上げの計画を知らせたことで、かえって広報効果を得た。ちょうど春の結婚シーズンが重なり、「値上げの前に買っておこう」というシャネルブームが起った。値上げ前日の4月30日には、商品の在庫が残っている地方デパートへの「遠征」に行くという稀に見る光景となった。値上げはかえって好材料になった。今年上半期(1〜6月)、ソウルの主要デパートのシャネルの売上は、国内進出史上最大の規模に達したという。

13日、ロッテデパートは全国29店舗の前年同期対比、ブランド品ブティック(ファッション+雑貨)の売上伸び率を集計した結果、今年4月には伸び率が67.5%と大幅に上昇した。昨年の平均売上伸び率が10.6%であったのと比べ大きな違いである。あるライバル社の関係者は、「値上げをずいぶん前から告知し、値上げの直前に売上が集中するようにし、それ自体が広報効果を出すようにしたもの」と語った。

価格を引き上げても消費が減らないブランド品の特性から、「思う存分」価格を引き上げたというのが専門家の分析だ。贅沢品は一般消費財と違い、購買決定に誇示欲、虚栄心など心理的要因が大きく働くため、価格が上っても需要が減らない「ヴェブレン効果」が働くということだ。

ソウル大学の金蘭都(キム・ナンド)消費者学科教授は、「消費者はブランド品が『時間が経つほど値上がりする』と予想しているため、ブランド品メーカーが新商品の発売に合わせて価格を引き上げるのは、消費者の期待に応える戦略的な判断」と話した。

シャネルのような代表的なブランドが値上げをすると、他のブランドも軒並み値上げに乗り出したことから分かるように、価格引き上げはブランド間の「プライド争い」という解釈もある。あるファッションブランドの関係者は、「デパート1階の良い売り場を取るには、『超高価ブランド品』でなければならないという端緒がつくだけに、デパートとの関係でより優位に立つために、ライバル社より価格を引き上げようとする『神経戦』が繰り広げられている」と伝えた。ある化粧品メーカーの関係者も、「ライバル社の商品価格が先に上る場合、自社商品の『格』が落ちているように見られかねないため、時期を合わせて引き上げるしかない」と打ち明けた。

●価格引き上げに乗り出す業界の本音

EU地域のブランドだとしても、彼らがFTAを逆行するにはそれなりの事情がある。今年2、6月、2回にわたって商品の価格を引き上げたルイヴィトンは、現実的に今回のFTAによる関税撤廃の特典を享受し難い状況だ。国内に流通されるルイヴィトンの全商品は、香港を経由して輸入される。韓—EUFTAを受け、EU加盟国でない地域で生産されたり、当該国の関税を経て流通された場合は、効力がない。最近、一部商品の価格を引き上げて非難されているプラダもやはり香港を通じて国内に持ち込まれる。

ブランド品各社の本社が韓国市場と消費者をまだ成熟した段階として見ていないことが、内部的「抵抗感」無しに価格を引き上げる原因となる、という指摘も出ている。トレンドコンサルティング専門のPEINノイ・ジョンミン理事は、「ブランド品の本社は、どうしても進出の歴史が長く、ブランドの価値、価格対比品質を細やかににチェックする成熟した市場より、新興市場で大幅な価格引き上げをする傾向がある」と語った。

これに対し、フランスのブランド化粧品メーカーのブランドマネージャーのAさんは、「近い日本と比べてみて、今年に入って国内市場が日本市場ほど拡大した状況で、国内の消費者は絶対に無視できない状況だが、成熟した市場の日本のお客様は商品への情報力がさらに多く、価格を『勝手に』引き上げることが簡単ではないというのが本社の認識だ」と伝えた。



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