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毒性強くなった食中毒菌、甘い香りになったバラ…宇宙実験30年のXファイルを公開

毒性強くなった食中毒菌、甘い香りになったバラ…宇宙実験30年のXファイルを公開

Posted July. 08, 2011 03:53,   

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天候の「妨害」にもかかわらず、ケネディ宇宙センターの発射に向けた雰囲気は十分盛り上がっている。

アトランティスの最後の宇宙実験も注目を集めている。アトランティスには、宇宙飛行士4人とともに実験用のネズミ30匹が搭乗する。

米国のバイオ医薬品メーカーのアムジェンが開発した新しい骨粗しょう症治療剤の動物テストをするためだ。宇宙では、骨中のカルシウムが1ヵ月平均1%減少し、骨粗しょう症のテストをするのに最適の条件だ。アブラナ科のシロイヌナズナも同乗させる。宇宙飛行士は、シロイヌナズナを利用して植物が無重力状態でどのような反応を見せるのかを観察するためだ。

このほかに、30年間スペースシャトルで行われたユニークで興味深い5つの科学実験を紹介する。

食中毒の原因菌であるサルモネラは、アトランティス(2006年)とエンデバー(2008年)で2度も宇宙に行った。興味深いことに、宇宙に行ってきたサルモネラは3〜7倍まで毒性が強くなった。

宇宙に行って12日後に戻ってきたサルモネラ菌をネズミに投与したところ、全体のネズミの10%だけが生き残った。一方、地球のサルモネラ菌を投与したネズミは40%も生存した。科学者は、宇宙でサルモネラの遺伝子(DNA)が変化し、毒性が強くなったと推定する。「宇宙のサルモネラ」のDNAを分析してみると、遺伝子167個とたんぱく質73個が変わっていた。米国の生命工学企業のアストロジェネティクスは、これを利用してサルモネラワクチンを開発した。

宇宙ではバラの香りはどのように変わるのか。1998年、ディスカバリーは、2輪のバラを乗せて国際宇宙ステーションに到着した。花の香りは育つ環境によって少しずつ変わる。根を下ろした土地だけでなく、光、温度、湿度によって香りが変わる。無重力状態の宇宙では、バラの香りは神秘的で、甘い香りだった。

ディスカバリーの宇宙飛行士は、「宇宙のバラ」の香りを小さな棒につけ、香りが飛んでいかないように密封し、地球に持ち帰った。

日本の化粧品メーカーの資生堂は、この香りを利用して「ZEN」という香水を発売した。2007年にも、バラはもう一度宇宙に行っってきたが、地球に戻った後、香水に変身する代わりにカリフォルニア州パサデナの新年行事を飾った。

1983年11月28日、コロンビアの飛行は特別だった。スペースシャトル史上初めて、宇宙飛行士のすべての任務が科学実験をすることだった。コロンビアの宇宙飛行士は、「スペースラボ」を使って、10日間宇宙で様々な実験をした。

スペースラボは、実験に必要な装備を備えたスペースシャトル用の実験室で、その後1998年まで22回も宇宙実験の場所になった。コロンビアの科学実験のうち、たんぱく質の結晶の成長実験は、最近までスペースシャトルで続いた。宇宙空間でたんぱく質の結晶を作れば、重力に制約を受けずに自由に成長する。対流もなく、結晶に不純物もできない。完璧なたんぱく質の結晶を作ることができるわけだ。このような結晶の3次元構造を分析すれば、新薬候補の薬効や毒性を予測することができる。韓国初の宇宙飛行士、李素姸(イ・ソヨン)博士も2008年、この実験を行った。

先月最後の飛行を終えて退役したエンデバーは、「クマムシ(Tardigrade)」という昆虫を連れていった。クマムシは、からだの長さが1.5ミリしかないが「強い虫」と言われ、極限の環境条件でも生き残ることで有名だ。5億3000万年前、カンブリア紀に出現し、零下273℃(絶対0℃)や沸騰水より熱い151℃でも生き残った。海抜8000メートルのヒマラヤ山脈や4000メートルの海中でも発見された。何より、人間の放射性被爆致死量の1000倍にさらされてもびくともしない。科学者は、クマムシから人間の生命の保存方法を探ることを期待する。

砂も宇宙実験の材料だった。アトランティス(1996年)、エンデバー(1998年)、そして2003年に地球に帰還する途中、爆発したコロンビアでも、砂は3度の宇宙経験がある。砂の城を作る時、砂があまりにサラサラでもだめで、水に濡れていても困る。水の表面張力が砂の粒子を引き寄せる「接着剤の」役割をするためだ。砂のこのような特性が科学的に明らかになってからまだ10年も経っていない。宇宙飛行士は、地震が起きる時に土地が液体のように動く現象を理解するために、無重力状態で砂の実験を行った。



uneasy75@donga.com