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[オピニオン]趙庸煥・憲法裁判官候補

Posted June. 30, 2011 07:25,   

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民主党が推薦した趙庸煥(チョ・ヨンファン)憲法裁判官候補が一昨日、国会・人事聴聞会で、「哨戒艦『天安(チョナン)』沈没事件は、誰の仕業か」という質問に対し、「北朝鮮がやった可能性が高い」と答えた。しかしその後の、「北朝鮮の仕業とは確信できないという意味か」という補足質問に対し、「政府の発表を受け入れるが、直接見たわけではないので確信という言葉は適切ではない」と語った。「確信」という言葉を使った質問に戸惑ったかどうかわからないが、「直接見たわけではない」という但し書きがついた答弁は、趙候補の資質を疑わせる。

◆殺人現場を目撃して、殺人罪を判決する裁判官などいない。直接見なくても、法律や証拠、経験や論理で判断するのは、裁判官の自由心証主義だ。何者かに対し有罪を言い渡すためには、「合理的疑惑」が残っていてはならないが、それで全ての疑惑の可能性を排除できるほどではない。むしろ、証拠を合理的根拠のない疑いを起こして排斥するのは、自由心証主義の限界を越えているといえる。天安艦沈没現場で、北朝鮮の魚雷推進体というスモーキングガン(smoking gun)が見つかった。その証拠を巡り、あれやこれやと言うことはできる。しかし、「直接見たわけではない」という言葉は、裁判官になる人間が口にすべきことではない。

◆趙候補は、司法研修院を出てからこれまで弁護士として働いた。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で法務長官を歴任した康錦實(カン・グムシル)氏に続き、法務法人「チピョンジソン」代表弁護士を務めている。「民主社会のための弁護士会」の立ち上げメンバーであり、参与連帯により、08年、最高裁判官候補に推薦されたこともある。参与連帯は、北朝鮮による天安艦沈没を否定する調査結果をまとめたことがある。民主党枠の憲法裁判所裁判官であり、このようなキャリアが傷にはならないだろう。しかし、適性に問題があれば、民主党は候補を変えなければならない。

◆趙候補は4回も、偽装転入をした。趙候補は聴聞会で、「推薦を受けて以来、この問題が欠格事由になりかねず、候補としては適切ではないという意見を伝えた」と語った。李明博(イ・ミョンバク)政府発足後、偽装転入が明らかになってからも、聴聞会を経て公職につく人が増えている。皮肉なことに、趙候補が属している「民主社会のための弁護士会」は、かつて、偽装転入候補者に対し、公職者の資格がないという論評を出したことがある。候補者として適切でないと思うのなら、最後まで固辞すべきであった。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員 pisong@donga.com