Go to contents

カザフスタンに浸透した韓流、ドラマを越え料理や住宅文化まで

カザフスタンに浸透した韓流、ドラマを越え料理や住宅文化まで

Posted June. 29, 2011 08:44,   

한국어

韓流フィバーは中国、日本、米国、フランスなど貿易や文化の主要交易国にだけ起きている事象ではない。世界各国の隅々にまで浸透している韓流の毛細血管の威力は、中央アジアの寒村でも容易に確かめることができる。

とりわけ「中央アジア経済・文化のハブ」と呼ばれているカザフスタンは、今や「中央アジアの韓流ハブ」に位置づけられている。1人当たりの国内総生産が8883億ドル(2010年)に上るカザフスタンは、130あまりの民族で構成された民族的多様性が特徴。地理的位置も有利で、ここで花栄える文化はウズベキスタン、キルギスタン、タジキスタン、トルクメニスタンなどの隣国にすぐ広がる。そういうカザフスタンで、いま文化の合言葉は断然「カレヤ(コリア)」だ。

●韓流、不毛の地に根を下ろす

カザフスタンは1937年、旧ソ連の強制移住政策で沿海州から連れて来られた韓民族の後裔である高麗人たちが住んでいる国だ。韓国文化が根を下ろし易いと考えられがちだが、高麗人はカザフスタンの人口1601万(2009年の人口センサス)の中で0.1%に当たる10万人に過ぎない。

韓国との国交は、旧ソ連解体後の1992年に樹立されたが、韓流に関しては不毛の地とされてきた。イスラム教とロシア正教を信仰し、ロシア語やカザフ語を使う国に突然、数年前から韓国のドラマや映画が紹介されてから「韓流」ブームが起きたが、ブームは今実に「台風」と言えるくらいだ。

10代から60代まで韓国ドラマに熱狂している。カザフスタン放送局「チャンネル7」のビビグル社長(38・女)は「韓国ドラマの中で老人と年配者を敬い、家族を重視するドラマが人気を集めている」と話した。共産党支配期間中に消えた親孝行や長幼の序、「君師父一体」の文化への憧れが、韓国ドラマに共感し易くしているという。

昨年3月にオープンした中央アジア唯一の韓国文化院(アスタナ)のハン・ソンレ院長は「数年までもカザフスタン放送局が韓国ドラマを無料でもらっていたが、今は数万ドルを払って買い取っている」と伝えた。13年間、アルマトイ最大の韓国系新聞である「韓人日報」を発行しているキム・サンウク社長も「中央アジアの人々は韓国が経済発展を遂げたあとの姿だけを知っている。このため、ここの人々にとって韓国文化は最先端のラグジュアリな高級文化と受け止められている」と話した。

●生活に根付いた食の韓流

カザフスタンは中国と国境を挟んでいるが、外食業界は韓国料理の食堂で溢れる。韓国料理食堂の数が中華食堂や日本料理食堂を大きく上回る。テンジャンチゲ(韓国味噌鍋)は一つが1000テンゲ(約8000ウォン)以上するなど割高だが、地元では定番食になっている。

アルマトイの最高級宿舎の一つであるハイアットホテルは、2年に一度ずつ「韓国料理フェスティバル」を催してきたが、最高級デパートの「ラムストル」にも「カレイツイ・サダド」売り場が別途設けられている。主婦のケンジグルさん(36)は「周りの知り合いは皆、自分の好きな韓国料理の名前を覚えている。キムパブ(のり巻き)、プルゴギ、チャプチェ、キムチ、トゥブチゲなど韓国料理には美味しいものが本当に多い」と話した。

カザフスタン世界言語大学のパク・ラリ教授は「韓国料理がないと、ちゃんとした宴会料理と認めないくらいだ」と語った。

●ソウルに似た大衆交通

この国の「生活の韓流」を確かめることができるのは大衆交通。25日、アルマトイ・イエムソバのどこにもありそうな大通りの3階建ての住宅には、中央アジア全域をカバーできる高性能のコンピューターサーバーが数台設置されている。現在、アルマトイの1500あまりの市内路線バスのすべてに設置されている韓国の交通カードシステムも、このサーバーで運用される。

アルマトイでは、韓国でのように交通カードで毎日20万人あまりがバスを利用している。運行時間や位置、バス停別の乗降者数などあらゆる情報が、このサーバーに送られてくる。08年から同システムを運用している韓国の中小企業「ベストカード」のイ・ジョンウ法人長は「現在、周辺の4ヵ国と5つの都市とも同システムの設置について話し合いを進めている」と言い、「一度システムが設置されると、技術の輸出はもちろん、バス内の音声広告な付加的な収益モデルを生み出すことができる。現在、アルマトイ市政府と交通管制や街灯などの管制についても協議を進めている」と紹介した。

年末開通を目標に、工事が進んでいるカザフスタン初の地下鉄「アルマトイ・メトロ」にも韓国製が採用される。地下鉄はもちろん、7つの地下鉄駅すべてに設置されるエスカレーターやエレベーターも韓国製だ。エイシモフ・アルマトイ市長は今年3月末に試験運行を行った際、「韓国技術で作った車両がモスクワ地下鉄より静かで安全だ」と褒め称えたと言う。

カザフスタン政府は、国土面積(韓国の27倍)に比べて人口が少ないこともあり、情報技術(IT)への関心が高い。

09年12月、アルマトイに開館した6階建てのICTセンターが、そのような関心の高さを示す代表的な例だ。韓国国際協力団が技術と装備を提供し、カザフスタン科学技術大学が土地を提供して建設した同センターは、カザフスタンのIT分野では最高・最大の研究・教育機関だ。カザフスタンの金融決済院は韓国の金融決済システムを導入するため、韓国側と了解覚書(MOU)を締結した。

IT産業の育成とともに力を入れているのが農業だ。北部地方の小麦を除いては野菜類や果物類、木の実類などを隣国から大量に輸入しているが、最近は食料の自給に関心を持って韓国に注目している。

この過程で注目を集めたのがアルマトイ北部へ300キロ離れたウシュトベ市傘下の初期の高麗人定着村。昨年下半期、韓国政府はビニール、パイプ、たい肥、盛土、農薬、種などを韓国から持ち込み、韓国技術でビニールハウスを建てた。このビニールハウスで、冬場に氷点下20〜40度まで下がる酷寒のなかでも特別な暖房施設を作らないでトマトを栽培したらみんな目を丸くした。

ナザルバエフ・カザフスタン大統領が同4月に「最先端の韓国製温室で、野菜を年中栽培できる経験を普及しなければならない」と強調するほどだった。ここで収穫した韓国品種のトマトは味が美味しいことが知られ、出荷と同時に飛ぶように売れている。

不動産部門の韓流も盛んだ。カザフスタンは骨組みだけを作って分譲し、所有者が全てをインテリアして完成する住宅文化だ。ところが韓国の建設会社がインテリアをすべて提供し、治安問題、中央浄水システム、各種便宜施設などを団地内で一度で解決し、住宅文化の革命をもらたしている。ウリム建設のキム・ジンシル・カザフスタン法人長は「オンドルを敷いて団地内に各種便宜施設を完備してセキュリティを強化するなど韓国住宅文化が大きく歓迎されている」と話した。