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[社説]北朝鮮が中国から催涙弾を大量購入、誰に向けられるのか

[社説]北朝鮮が中国から催涙弾を大量購入、誰に向けられるのか

Posted June. 23, 2011 08:11,   

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北朝鮮が最近、中国から催涙弾やヘルメット、盾などのデモ鎮圧用の装備を大量に購入していると、国家情報院が明らかにした。国家情報院は22日、国会情報委員会にヘルメットや防弾チョッキの写真を公開し、メディアが報じた北朝鮮のデモ鎮圧装備の導入が事実であることを確認した。北朝鮮が昨年、暴動事態に備え暴動鎮圧の「特別機動隊」を創設したという情報も事態の異様さを物語っている。金日成(キム・イルソン)一家が66年間統治する北朝鮮で、住民の不満や体制不安が拡散していることが見られる兆候だ。

恐怖政治を行う北朝鮮で、政権に対する不満を示すには、命をかけなければならない。北朝鮮で当局がデモと暴動に備える程なら、住民がもはや耐えることができない限界状況に達したということだ。生計型の抵抗である北朝鮮住民の不満は、09年末のデノミネーション(通貨の呼称の変更)の失敗以降、一層激しくなった。今年2月には、新義州(シンウィジュ)で保安員がある商人を殴って昏睡状態に至らしめたことに抗議し数百人がデモをすると、軍隊まで投入し、商人を解散させた。平安北道定州(ピョンアンブクド・チョンジュ)と龍川(ヨンチョン)では、金正日(キム・ジョンイル)総書記誕生日2日前の2月14日、住民数十人が電気とコメを要求した。

金正日王国も、反独裁民主化デモで政権が揺らいだ北アフリカや中東の事態を目の当たりにした。小規模でも住民の集団行動を放置した場合、手のほどこしようもなくなる程広がることを憂慮し、特別機動隊の創設と鎮圧装備の導入をはじめたとみえる。地域ごとの約100人規模の特別機動隊は、市場など人がたくさん集まる場所を巡回し、集団行動に備えているという。北朝鮮は、ジャスミン・デモ成功の情報が伝わることを阻止するため、携帯電話の使用を禁じ、不満勢力に対する監視活動も強化している。

飢える2400万の住民の不満を強権で鎮圧するという北朝鮮政権の発想は、一時的には成功するかも知れないが、世襲独裁政権を最後まで支えることはできない。独裁者の鉄拳では、国民の怒りを防ぐことができないという事実をエジプト、リビア、シリアの事態が示している。国連安全保障理事会が、リビアの独裁者カダフィ大佐の自国民殺傷に報復するため軍事介入を承認した事実も、北朝鮮にとっては他人事ではない。

北朝鮮が住民の不満を静めるためにすべきことは、住民に食糧を与えることだ。国際反核運動団体「グローバル・ゼロ」は、北朝鮮が今年、核兵器開発に支出する費用が7億ドルにのぼることを明らかにした。北朝鮮がその費用を国民のために使えば、100万トンのコメを購入し、飢える住民に与えることができる。北朝鮮が食糧を求める住民に催涙弾を発射すれば、それこそ政権の最後が来たという信号になるだろう。