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[オピニオン]原発、独仏の交錯する道

Posted June. 01, 2011 04:28,   

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フランスとドイツは隣国だが、異なる点が多い。フランスは原野の国、ドイツは森の国だ。フランスは数学を重視する合理主義、ドイツは神秘的な要素を重視するロマン主義が盛んだった国だ。フランスは、カトリックが優位であるにも関わらず、世俗主義が支配する国だが、ドイツは、宗教税を取るキリスト教国家だ。原子力発電所(原発)に対する態度でも克明に分かれる。フランスは電力の75%を原発で生産する国だが、ドイツは、電力をフランスから購入して使うが、原発は避ける。

◆福島原発事故後、ドイツは原発閉鎖の道を選んだ。ドイツは、シュレーダー首相が率いた左派連合政権当時、2021年まで原発を全て閉鎖することを決めた。その後、政権に就いたメルケル首相が昨年、原発稼動期間を12年延長すると発表したが、福島事故後、閉鎖の方針に旋回した。一方、フランスのサルコジ大統領は、ERPという安全性が強化された新型原発を武器に、世界の原発市場を席巻するという戦略だ。危機が機会というわけだ。フランスは、アラブ首長国連邦の原発受注で韓国に敗れて以降、「安全ゆえ高価」というERP原発の宣伝を強化した。

◆79年の米国のスリーマイル島原発事故後も、世界各国が原発政策を見直した。原発産業を圧倒的にリードしていた米国が事故で停滞している間に、フランス、日本、韓国が飛び入り、先頭グループに進入した。3国のうち福島原発の被害当事国である日本が、手を引く動きを見せている。このため、フランスと韓国が今後、原発市場の二強に肩を並べるという展望が出ている。

◆フランスと韓国は、ドイツや日本とは状況が異なる。日本は、地震と津波が頻繁に発生する地域だ。ドイツ人の環境観は、森に対する畏敬に根ざしている。極右派のナチ党員も、極左派の緑の党員も、原子力にはアレルギー反応を見せる。ドイツ右派政党が、福島原発事故後、再び中止に旋回したのは、何よりも政権維持のためだ。フランスの合理主義には、人間が原子力も統制できるという思考が強い。各国の原発政策も、その国の自然環境、科学技術の発展の程度、国民の受容によって変わらざるを得ない。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員 pisong@donga.com