Go to contents

小規模研究を結集させノーベル賞への希望を育てる Q&A「科学ベルト」

小規模研究を結集させノーベル賞への希望を育てる Q&A「科学ベルト」

Posted May. 17, 2011 03:10,   

한국어

韓国の基礎科学発展の起爆剤として計画が進んでいる「国際科学ビジネスベルト(科学ベルト)」の拠点地区と機能地区の建設場所が選ばれた。科学ベルトがなぜ「建国以来最大の科学技術事業」と修飾されるのだろうか。科学ベルトの主要施設と研究団についての疑問に答えてみよう。

Q.科学ベルトには何が入るのか。

A.基礎科学研究を主導する巨大機構である「基礎科学研究院」が中核となる。巨大施設の「重イオン加速器」も基礎科学研究院の付属機関だ。基礎科学研究院傘下には、計50の研究団が設置され、科学技術に特化した、大学や研究団を結合したキャンパスも含まれる。事実上、基礎科学研究院という巨大単一機構に基礎科学研究関連のすべての力量が結集することになる。このうち、基礎科学研究院と重イオン加速器は拠点地区に、キャンパスは大邱(テグ)、光州(クァンジュ)など全国各地に設置され、有機的なネットワークで研究力量を最大化する計画だ。

Q.基礎科学研究院の設置によって、なぜ基礎科学研究が活発になるのか。

A.現在、国内の基礎研究の大半は、大学の小規模研究陣が主導している。国家科学技術委員会の09年の資料によると、政府の基礎研究事業の研究責任者の77%が大学教授だ。大学教授と大学院生が主軸の小規模な研究陣は、大学院生が卒業すれば細部の研究主題に集中し、長期的に研究することが難しい。また、小規模な研究陣が多ければ、研究内容が重複する憂慮もある。

基礎科学研究院でこのような小規模な個人研究を統合し、大規模な集団研究の方向性を設定する場合、失敗をも視野に入れた冒険的且つ独創的な研究も包容することができる。また、生物学、化学、物理学のような細部の分野の研究陣が協力する研究も容易になる。学問間の融合による共同研究は、最近の基礎科学研究のトレンドだ。最近のノーベル科学賞の共同受賞の割合は、78.9%に達する。

Q.付設機関の重イオン加速器はどのようなものか。

A.重イオン加速器は、国際科学ビジネスベルト唯一の大型実験施設だ。重イオン加速器は、1.08平方キロメートル(約32万坪)の用地に直径10メートルの円形加速器と長さ約700メートルの線形加速器、約10棟の実験棟と研究棟で構成される。円形加速器と線形加速器は、地下約10メートルの深さに設置される。

重イオン加速器を活用することにより、自然界に存在しない同位元素を作ることも可能になる。円形加速器で元素をつくる微細な粒子の陽子(+)を加速させ珍しい同位元素を作り、線形加速器で衝突させれば、これまで存在しなかった新しい同位元素を得ることもできる。重イオン加速器で新しい同位元素を発見すれば、ノーベル賞を受賞する可能性も高い。実際、101のノーベル物理学賞のうち約20%が加速器を利用した研究だ。もし国内の研究陣が新しい元素を発見すれば、韓国の名を取って「コリアニウム(Korianium)」と呼ぶこともできる。すでに日本は04年に重イオン加速器により発見された新しい元素に「ジャポニウム(Japonium)」という名前をつけ、周期律表に登録している。

Q.研究団(サイトラボ=Site Lab)ではどんなことをするのか。

A.大学の研究室や政府出捐研究院では難しい基礎科学分野の研究を主導する。既存の研究方向が先進国についていくための研究から出発したとするならば、これからは研究分野を他国よりも先行させるという目標で進められる。特に、既存の研究団と違い、研究団長に人材・予算・研究内容などに対する自律性を保障し、研究に集中できるよう環境づくりをすることになる。

Q.科学ベルトで機能地区の役割は…。

A.機能地区は、基礎科学研究院と重イオン加速器がある拠点地区を補完する。拠点地区で学校と研究所が主導する基礎研究が進め、機能地区では企業など産業界が基礎研究を応用した技術を開発したり、優秀な人材を採用するなど、研究が絶えず続く基盤を作る。人材の養成と共同研究開発を担うことになる。



jermes@donga.com