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[オピニオン]「拉致王国」北朝鮮

Posted May. 14, 2011 03:31,   

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米国の非政府機構である北朝鮮人権委員会が12日、「北朝鮮が韓国戦争後、これまで12ヵ国約18万人を拉致した」という報告書を公開した。同報告書には、北朝鮮への送還事業を通じて日本から渡った朝鮮総連僑胞約9万3000人と韓国戦争の時に連行された約8万2000人が含まれている。北朝鮮人権委は、そのほかにも約5000人が北朝鮮に拉致されたと把握している。

◆05年6月、金剛山(クムガンサン)面会所で、北朝鮮が拉致した高校生を南北家族再会の会場に登場させた奇妙な「政治ショー」が行われた。78年、群山(グンサン)機械工業高校1年生で、群山近海の仙遊島(ソンユド)に遊びに行っていた時、北朝鮮の工作員に拉致された金ヨンナムさんが、28年ぶりに韓国の母親に会った。金さんの拉致は、97年に韓国で検挙されたスパイ、金光賢(キム・グァンヒョン)氏が78年、南派工作の任務を終えて帰る際、仙遊島の海上で高校生を拉致したと供述したことで確認された。金さんは、対南要員として教育され、母親に会った時は、朝鮮労働党局長級幹部だった。金さんが母親のために80才の祝いの食膳を設け、自然産の人参とシルクをプレゼントした。

◆77年、日本の新潟県で中学校1年生だった横田めぐみさんが行方不明になった。横田さんは、韓国で拉致された金ヨンナムさんと86年に結婚した。この事実が96年に脱北したアン・ミョンジンさんによって伝えられ、横田さんは北朝鮮日本人拉致被害者の象徴となった。日本では、横田さんの送還を求める世論が広がった。窮地に追い込まれた北朝鮮は、横田さんが93年に死亡し、夫の金ヨンナムさんは97年、北朝鮮女性の朴チュンファさんと再婚したと主張した。そして05年6月、金剛山(クムガンサン)面会所に金ヨンナム、朴チュンファ夫婦を送り、金ヨンナムさんの母親と再会させるショーを演出したのだ。

◆同報告書には、首都女子高校の教師だった79年にノルウェーで北朝鮮に拉致されたコ・サンムンさん、大韓航空機爆破犯の金賢姫(キム・ヒョンヒ)元死刑囚に日本語を教えた田口八重子さん、87年、米MIT在学生としてオーストリアを旅行した際、北朝鮮に拉致された李ジェファンさんのことが書かれている。韓国と日本が拉致被害者問題を提起した後、北朝鮮によって拉致される事例が減った。北朝鮮人権委員会は、米国議会が制定した北朝鮮人権法のおかげで、米国国立民主主義基金から支援を受け、同報告書を作成した。「拉致の王国」北朝鮮にブレーキをかけるために、韓国も北朝鮮人権法の制定を急がなければならない。

李政勲(イ・ジョンフン)論説委員 hoon@donga.com