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新体操の孫延在が「欧州大長征」

Posted May. 14, 2011 03:31,   

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今月8日、ウクライナ・キエフで開催された国際体操連盟(FIG)新体操ワールドカップの2日目。棍棒演技を終えた「新体操の妖精」孫延在(ソン・ヨンジェ、17=世宗高)は、しばらく頭を上げることができなかった。演技の最後の場面で手具を落とす失敗をしたからだ。3週間にわたるワールドカップシリーズに出場して2週目が終わってから、体力の低下が足を引っ張ったのだ。第1日のボール(26.725)とフープ(26.825)で8位に立ち、念願のトップ10入りの可能性も高まっていたところだっただけに、悔しさはひとしおだった。

孫延在が強行軍を続けている。3週連続のワールドカップ出場は、トップクラスの選手にも珍しいことだ。しかしアジアのレベルを超えて、新体操の本場欧州舞台に適応し、知名度や技量、経験などで一段階躍進するための挑戦だった。

とくに体力回復と体重管理の二兎を追わなければならない状況が重くのしかかる。海外の練習拠点にしているロシア・ノボゴルスクの練習場では、体系的な食事の管理が可能だった。しかし練習拠点を離れて競技に出ている最近は、朝食と夕飯をホテルで提供される果物、サラダ、ヨーグルトで解決し、お昼は練習の途中に韓国から調達したレトロご飯とキムチで済ましている。

孫延在は「体力が低下して甘いものが食べたいけど、アイスティーの一杯も安心して飲めないんです。私たちは、息をするだけでも太るんです」と言って、苦労を打ち明けた。

毎週末に競技に出ている孫延在は、競技のない水曜に韓国料理店を訪ねてスタミナーを補ってきた。しかし、今週滞在しているフランス・コルベユエソンは韓国料理店が練習場から遠いため、それさえも諦めた。

専従のトレーナーがいない中での頻繁な長距離移動など、劣悪な支援の中で大会をこなしている孫延在にとって最高の元気の源は、何と言っても現地定住韓国人たちの応援だ。ウクライナでは、韓国人たちがハングルで書いたプラカードを逆さまに持って応援する姿に笑いをこぼしながら緊張を解したこともある。

収穫も少なくない。2週連続の個人総合13位。12年ロンドン五輪出場への切符(世界選手権15位まで)を獲得できる成績だ。以前のポルトガルやウクライナ大会を総括したマリア・ギゴバFIG委員からは、「孫延在は、もう少し経験さえ積めば、みんなの予想を遥かに上回る優れた選手になるだろう」と絶賛された。

孫延在は13日に開催されるフランス・コルベユエソン大会に出場し、3週間の大長征を締めくくる。



noel@donga.com