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国産KTXにモーター減速機の欠陥、鉄道公社が初の「リコール」要請

国産KTXにモーター減速機の欠陥、鉄道公社が初の「リコール」要請

Posted May. 12, 2011 03:13,   

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韓国鉄道公社(コレイル)が11日、国産高速鉄道「KTX−山川(サンチョン)」の製作会社である「現代(ヒョンデ)ロテム」に対し、事実上「リコール」を要請した。建前は、KTX−山川2号車で見つかったモーター減速機の欠陥。一部の部品に限られた欠陥だが、コレイルは、引き渡された全ての鉄道車両に対し、再度の精密検査を要求している。

これまでコレイルは、欠陥が見つかれば点検補完などを要求してきたが、車両全体の再点検を求めたのは今回が初めて。今回の要請には、運行1年間あまりで、数十回の大小トラブルを起こしたKTX−山川に対する一種の「警告」メッセージが含まれているという見方が少なくない。

●相次ぐトラブルに「警告」

コレイルによると、7日午前、京畿道高陽市鄹陽区(キョンギド・コヤンシ・トクヤング)の高速鉄道車両基地で運行を準備していたKTX−山川2号車を検査する過程で、モーター減速機の固定台から亀裂が見つかった。この亀裂は、肉眼で確認できるほどで、モーター減速機が断裂する可能性もあったと、コレイルは主張している。

モーター減速機とは、主動力装置(モーターブロック)の動力を制御する主要構成装置。重さは0.5トンと、高速走行中に断裂すれば、列車脱線などの大型事故に繋がりかねない。コレイルは直ちに、KTX−山川2号車の運行を中止した。また、残りのKTX−山川列車に対し、緊急点検に乗り出した。幸い、他の列車からは異常は見つからなかった。

コレイルがリコールを請求した背景には、これまで相次ぐトラブルや事故に対する不満が募った結果と見られる。08年11月、量産車生産を開始したKTX−山川はテスト期間を経て、昨年3月正式運行を開始し、現在、京釜(キョンブ)線や全羅(チョンラ)線、慶全線(キョンジョン)線などで19編成が運行している。しかし、1年間あまり運行した今月まで、大小合わせ計41回ものトラブルを起こしている。

今月2月は、京畿道光明(クァンミョン)駅周辺の日直(イルジク)トンネル内で、初めて脱線事故を起こした。コレイルの内部では、KTX−山川の頻繁な故障によりコレイルのイメージが大幅に傷つき、現代ロテムに対する強い不信感が膨れ上がったという。現代ロテム側は「該当列車に対する修理を開始した」とし、「正確な故障原因の解明に最善を尽くしたい」と明らかにした。

●海外進出に「暗雲」

KTX−山川の頻繁なトラブルや今回のリコールの影響を受け、韓国型高速鉄道の輸出への支障が懸念される。KTX−山川の国産化率は87%に上る。従来のKTXは、フランスのアルストム社が現地で製作して持ち込んだり、韓国内で組み立てたりした列車だ。時速300キロ以上で走れる高速鉄道の開発は、KTX−山川が世界で4度目。韓国型であることをPRするため、韓国産魚「山川魚」のイメージを模った。また、従来のKTXは20両の固定編成なのに対し、KTX−山川は10両を基本とし、追加で車両を連結できるメリットがある。

現在、現代ロテムは、車両編成の効率性を打ち出し、高速鉄道事業を推進しているブラジルや米国などへの進出を狙っている。ブラジルや米国の高速鉄道事業費は約190億ドル。これまで、頻繁なトラブルや事故の時、コレイルが積極的に対応できなかったのは、KTX−山川の海外進出を念頭に置いていたためという指摘も多かった。



starsky@donga.com