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EU輸出時の無関税特典は「高根の花」、原産地認証体制の不備が原因

EU輸出時の無関税特典は「高根の花」、原産地認証体制の不備が原因

Posted May. 11, 2011 07:36,   

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ベルギーへ電子製品を輸出するA社は、韓国・欧州連合(EU)間の自由貿易協定(FTA)が国会批准されるや否や、積極的なマーケティング戦略を立てた。今年7月1日から韓EU間FTAが発効されると、関税減免で価格競争力が激しくなるだけに、販売増加が見込まれるからだ。しかし、最近、関税庁が原産地認証輸出者を対象に行った事前調査によると、同社は基準未達を受け、対EU輸出の際、無関税の特典が受けられない状況となった。関税庁の関係者は、「関税減免の特典は、国内の税関で原産地認証輸出者に視定されなければ受けられないが、まだ大多数の中小企業はこのことを知らない」と話した。

FTAの発効まで50日を残しているが、企業の輸出準備はまだ十分ではないことが明らかになった。このため、厳しい状況でFTAを締結しても、特典を享受できる輸出企業は少なく、「おいしい料理が並べられているのに、食べられない状況」という指摘が出ている。

10日、関税庁によると、韓EU間FTAの締結で、韓国は運送機器業種、電気・電子業種、石油化学業種などの順で、関税減免の特典が大きくなる見通しだ。関税減免を受けるためには、企業が税関から原産地認証輸出者に指定されなければならない。しかし、現在、認証対象の4333社のうち、原産地認証輸出者として指定された企業はわずか859社(19.8%)に過ぎない。

韓国は実質的に同制度を初めて運営するが、EU側は1975年から施行してきただけに、殆どの企業が認証輸出者に指定されている。EU側の税関に原産地違反で摘発されれば、輸出物品の3倍に当たる罰金か6ヵ月未満の懲役刑となる。

EUが原産地違反を厳しく処罰するのは、EU産業界で中国の貿易慣行や対中国貿易赤字を問題視しているためだ。EUは、交渉過程でも原産地規定を強く要求し、「中国製品が韓国から迂回輸出され、FTA特典が中国に届くのではないか」と懸念した経緯がある。

一方、関税庁と韓国貿易協会は、原産地管理電算システムを無料で配布し、企業へのコンサルタントを提供するなど、積極的な支援に取り組んでいる。しかし、中小企業は関連証拠資料を準備することが難しく、原産地管理を専担する人材も不足しているため、本格的な態勢整備がなかなか進んでいない。業務量が増えるため、職員たちが積極的に取り組まないのも問題点として挙げられる。

EUへボイラーを輸出するB社の関係者は、「国内での批准が見送られていたため、批准案が通過してから(原産地管理を)やろうとしていたメーカーも多かった。原産地確認は、ネジの1個まで調査しなければならないため、正確な原産地究明が困難な部品が多い」と実態を打ち明けた。

このような問題は、韓EU間FTAだけの問題ではない。すでに発効された韓チリFTAなどが輸出に活用される比率が低い理由の1つも、原産地基準が複雑であることだった。結局、FTA発効で最大の恩恵が受けられる企業が先頭に立ち、原産地管理システムを整えなければならないという指摘が出ている。

韓国貿易協会の呉永鎬(オ・ヨンホ)副会長は、「韓EU間FTAの発効で、ライバル国である日本や中国に比べ、先取り効果を享受するためには、輸出企業がFTA活用の準備に、より積極的に取り組まなければならない」と話した。



constant25@donga.com