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[オピニオン]米国政治のダーティ・ゲーム

[オピニオン]米国政治のダーティ・ゲーム

Posted April. 30, 2011 05:12,   

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29日、米フロリダでは、感動的なシーンが繰り広げられた。今年1月、暴漢が撃った銃で負傷したガブリエル・ギフォード下院議員(民主党所属)が、リハビリ治療を受けている最中に、夫であり宇宙飛行士のマーク・ケリーの最後の宇宙飛行を見送ったのだ。ギフォード議員への銃撃事件は、サラ・ペイリン元アラスカ州知事が誘発したという非難が起きている。ペイリン氏は、医療制度改革法の処理で賛成票を投げた民主党議員の選挙区で憎悪を煽った。

◆米国政治でも、政治が分裂と憎悪に突き進んでいる。イラク戦と景気低迷を経験し、民主党と共和党との間に理念の溝が深まり、討論とユーモアが消えつつある。その代わり、人身攻撃と無条件の暴露が猛威を振るっている。グレン・ベック、ラッシュ・リンボ、アン・コールターのような極右論客が先頭に立っている。オバマ大統領を「マルクス主義者」、「イスラム教徒」、「人種主義者」と攻撃してきたフォックスニュースのトークショーMCのグレン・ベックは、「オバマ憎悪キャンペーン」を展開している。毒舌と憎悪が乱舞すればするほど、視聴率と広告単価は高まる。ダーティ・ゲームの商業性が高い現実は、国民と言論が共に解決しなければならない宿題だ。

◆オバマ大統領に対して、極右派が提起した疑惑の一つが、オバマ大統領が父親の出身国であるケニアで生まれたため、大統領被選挙権がないという主張だった。「不動産財閥」ドナルド・トランプ氏が疑惑を煽った。耐えかねたホワイトハウスが、オバマ大統領がハワイ州ホノルルで生まれたことを立証する出生記録を公開した。オバマ大統領の出生記録の公開直後、記者室に立ち寄って、「このような愚かな論議に浪費する時間はない」と言った。トランプ氏は再び、「これまで誰もできなかった何か(大統領の出生記録公開)をなし遂げた自分を誇らしく思う」と述べた。

◆トランプ氏は25日、AP通信とのインタビューで、「彼(オバマ大統領)は、勉強ができない学生だったが、どのようにしてコロンビア大学とハーバード大学に行くことができたのか」と述べ、大学の成績表の公開も要求した。次期大統領選挙に出馬する意向を示しているトランプ氏は、大統領を叩いて自分を引き立たせようと決心したようだ。時に、荒唐無稽な公約と毒舌にも保守層は熱狂する。視聴者の末梢神経を刺激するニュースキャスターや政敵を攻撃する政治家が一時的に人気を得ることもあるが、国民の政治嫌悪症は広がるだけだ。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員shchung@donga.com