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[社説]「民族の罪人」金日成主席を称賛、見物するだけの不感症社会

[社説]「民族の罪人」金日成主席を称賛、見物するだけの不感症社会

Posted April. 14, 2011 09:25,   

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北朝鮮の「太陽節」と呼ばれる金日成(キム・イルソン)主席の誕生日(4月15日)を控え、金主席を「民族の傑出した領袖」、「偉大な万民の父」などと称賛する書き込みがインターネットで猛威を振るっている。過去には、親北朝鮮を標榜するサイトで目にされた書き込みが、今年は国内の多くのサイトで掲載されている。金主席から権力が世襲され、北朝鮮を鉄拳統治している金正日(キム・ジョンイル)総書記とその追従勢力が、金主席を「民族の太陽」云々すること自体とんでもないことだが、金主席への美化を越え、偶像化が大韓民国社会で堂々と画策されているとは嘆かわしい。監督当局は一体何をしているのか。

金主席は、ソ連のスターリン、中国の毛沢東と合作して韓国戦争を起こし、数百万の民族を犠牲にし、領土を廃虚にした戦争犯罪者であり、時代の流れを逆らい、民族の地である韓半島の北側を専制世襲王朝、兵営体制にした張本人だ。韓半島を日本の福島原子力発電所よりも脅威的な放射能物質で覆う核兵器開発も、金主席が始めた。世界は自由民主主義を謳歌しているが、2400万の北朝鮮住民は、自由と民主の光を享受するどころか、餓死と強制収用所の恐怖に苦しめられている。このような体制失敗の最高責任者が金主席だが、「民族の太陽」とは、何を寝言を言っているのか。

「米の飯に肉のスープを食べさせ、瓦の家に住むようにさせる」という金主席の遺言とは違い、多くの北朝鮮住民は今春、草根木皮で延命している。北朝鮮政府の招請で、最近北朝鮮を訪問した非政府機構「マーシー・コープス(Mercy Corps)」のデイビッド・オースティン氏は12日、米国の公営ラジオ放送NRPで、「3才の子どもが、食べる物がなく草や小枝を食べていたが、子どもの胃はそれを吸収できていなかった。別の3才の女児は、体重が5、6キロしかなく、私たちの訪問に全く反応せず、長くは生きられないように見えた」と伝えた。胸が張り裂けそうな話だ。韓国の3才の女児の平均体重は15キロだ。

進歩であれ保守であれ、理念を離れて重要なのは住民の人生だ。北朝鮮の経済は、金主席の末期に、事実上、破綻状態に直面し、90年代半ば、いわゆる苦難の行軍の時期に300万人が餓死した。その息子の金総書記は、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の支援で延命したが、核兵器開発、哨戒艦「天安(チョンアン)」沈没、延坪島(ヨンピョンド)砲撃で困難を自らもたらし、苦しい時期に戻っている。国連は最近、約600万人の北朝鮮住民が餓死する危機に直面していると警告した。

このような地獄を作った民族大逆罪人を「傑出した民族の領袖」と呼び、「主席様の生誕を祝って、主席様の冥福を祈る」という内容をネットに書き込んで広める者は誰か。北朝鮮のサイバー部隊なのか、国内の従北主義者なのか、世間知らずのネットユーザーなのか。単なる「表現の自由」で見過ごすには、程度が深刻だ。不純な工作なら、根っ子を引き抜かなければならない。いたずらでも、このようないたずらは許されない。この国の指導層、知識人、教師は、子どもに北朝鮮を誤って教えた共同責任から免れられない。今からでも覚醒しなければならない。