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風邪薬の処方、韓国は1件当り4.8個 外国の最大3倍

風邪薬の処方、韓国は1件当り4.8個 外国の最大3倍

Posted April. 08, 2011 10:39,   

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咳と鼻水の症状が出始めて5日目になる6日、記者は2箇所の病院を訪れた。「韓国が経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で、風邪薬を最も多く処方する」という話が合っているのか、確認するためだった。

ソウル龍山区(ヨンサンク)のH医院。鼻と喉を診察した医師は、急性扁桃炎という診断を下し、5つの錠剤が含まれた2日分の風邪薬を処方した。ペニシリン系の抗生剤1錠、炎症と痛みを和らげる消炎鎮痛剤1錠、痰を無くし咳を止める鎮咳去痰薬1錠、鎮痛剤による胃炎を予防する消化性潰瘍剤1錠、鼻水・鼻詰りなどアレルギー症状を和らげる抗ヒスタミン剤1錠。

次に、ソウルS総合病院家庭医学科で受診した。診断名は急性気管支炎とアレルギー鼻炎だったが、抗生剤を除いてはH病院と処方薬が同じだった。消炎鎮痛剤1錠、鎮咳去痰薬1錠、消化性潰瘍剤1錠、抗ヒスタミン剤2錠。錠剤と水薬を合わせて計6つだった。

韓国の場合、風邪薬は処方1件当たり平均4.8個指示されており、外国の最大3倍を越える。処方個数は病院の規模が小さいほど多くなる。去年処方1件当たりの風邪薬は、上級総合病院(大学病院)=4.4個、総合病院=4.84個、病院=4.84個、医院=5.02個だった。豪州(1.33個)、米国(1.61個)、ドイツ(1.71個)、日本(2.2個)の最大3倍を処方しているわけだ。

このため、薬代支出も相対的に多くなっている。韓国の健康保険支出に占める薬剤代の割合は29.6%(09年)と、OECD加盟国の平均(17.6%)より1.7倍も多い。

海外の病院では風邪初期の場合、よく休んで温かい水を多く飲むよう勧めている。風邪薬は症状を和らげるだけで、ウィルスを無くす効果はないからだ。

韓国の病院の場合、抗生剤処方率も55%とわりと高い。医師たちは、鼻水や咳のような症状だけでは、それが細菌感染による副鼻腔炎(蓄膿症)なのか、ウィルス感染による単なる風邪なのか判断しにくいため、一応抗生剤を処方する傾向がある。

三星(サムソン)ソウル病院感染内科のソン・ジェホ教授は「抗生剤の処方が減少傾向にはあるものの、まだ誤用・乱用が深刻な水準だ。直ちに副作用が現れないので簡単に処方してしまうわけだが、抗生剤の耐性率が高いのは問題」と述べた。

健康保険公団保険給与室のカン・ウンシル薬剤師は「たくさんの種類の薬を飲んだり、同じ働きをする薬をいくつも飲んでしまうと、副採用がひどくなりかねない」と指摘する。風邪薬を飲むと眠くなるという話をよく聞くが、これは薬が体に負担を与えているシグナルだと、医者たちは口をそろえる。



woohaha@donga.com